第223話父の語り

 今日は実家に来て、いつもの夕食会。今日は父に買い物頼んだら、すんごい豪華。

 父よ、え~かげんにし~や~っと言いたくなるのだが、ぐっと我慢。じじいと付き合うには、忍耐、忍耐。

 父、山盛りのカツオのたたきを食べてうまそう。まぁ、今日はおおめにみるか。

 今日はいつになく父、語る。昔の自分の父親について、語る。私にとってはじいさま。じいさま、かなり頑固親父だったらしい。

 父が小さいとき、釣りをしていると、帽子をかぶって、後ろから、そっと見ているような、じいさま。なんだか聞いていると、愛嬌のあるじいさんだ。

 普段、あまり語らないじいさま、でも、怒ると怖いらしい。父が喧嘩をして、頬に傷を作ってくると、じいさま、父の頭をひっぱたき、「お前、なにしてきた~」と怒鳴られたという。あ~おっかない。

 その影響か、うちの父から私は殴られたことがない。口では散々嫌みを言われたことあるが、暴力は振るわれたことがない。

 それは、父、えらいっと思う。よっぽど自分が殴られるのが、嫌だったらしい。

 昔の日本人のオヤジ、厳しかったが、父の世代であまり悪口をいう人はいないだろう。

 それほど、父親という存在は特別だったのだろう。

昭和初期の父親、その話を父から聞いて、なぜか懐かしい感じを受けるのであった。

 

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