第129話ほっと一息

 はっちー(母)、焼きいもを食べさせたら美味しそうに食べて、機嫌がちょっとなおった。今は落ち着いてぐっすりと眠っている。

 それにしても「実家に帰りたくない」とはっちーに言われると、父も私も、ちょっと落ち込むなぁ。そういうことをハッキリ言われると、がっかりするのはしょうがない。

 父、晩酌をしつつ「俺が悪かったのかなぁ」としみじみと言う。はっちーが病気だから言っているとはいえ、父にはきついだろう。

 父と私、二人でしみじみと、はっちーのことについて語る。でも、父が「母さんが気に入ったところに行ければそれでいいだろう」といったので、私もほっとした。

 はっちーが施設を気に入っているのであれば、申し分ない。はっちーを施設の人にお任せして、我々は自分の生活を楽しませてもらおう。

 この三週間、父も私も自分一人の生活にだいぶ慣れたので、はっちーのいない生活でもやっていけると思う。

 はっちーのいない生活、これからそういう場面が増えるのだろうなぁ。

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