第22話

春は連絡が入ったことを確認する。


「・・・」


どうしよう、どうしよう。今戻らないと、いやでも今帰ったら雪が危ないし、


夏「どうしたの?まさか、連絡が入ったの?」


「・・・そ、そうなんだけど」


優「なんて、来たんだ?」


言えるわけがない。特に優君の前で、


「・・・お願いどうしても、帰らないといけないの!」


「・・・ここまで一緒に世話をして、肝心のことは言わないんですか?」


夏は睨むようにいう。


「・・・っ、そうだ。二人ともお願い雪のことをこのまま見てて」


春は土下座して頼む。


「はぁ??そんな無責任過ぎるだろう!!」


「そうですよ!!余りにも急に赤ちゃんをいくら親戚の家だからとはいえ、こんな急には、母親として酷過ぎです!!」


「あなたは母親じゃないから分からないのよ!!」


母にすらなってない人に母親の苦労なんて分かるわけがない。


「・・・それが子どもを」


そして、優君が夏を止める。


「いいよ、行けよ。早く。事情も話さずに行けよ」


「・・・っ」


優のかつてないほどの怒りを春は感じている。


「姪がいつ暴力を振られてもおかしくない、だから一緒に住まわせて欲しいと行った癖に・・・置いて行けよ」


「・・・」

優の睨む顔に春は怯んでしまう。


だが、ここで大人しく、下がれるようなら、娘を選べるようなこんなことにはなっていないだろう。


「分かった。いくよ」

春は雪の顔を見ずに外に出た。



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