守銭奴探索者、夢は預金残高5000兆円!!〜バ先が摘発されたので配信者始めました〜
文学少女ノベル@Vtuber
Prologue
第1話 守銭奴探索者、無職になる。
操作ミスにより削除してしまったため再投稿します。
カクヨム以外の媒体でのバックアップが存在しないため、詳細や展開などが先日投稿文と異なる可能性がございます。
応援してくださった皆様、大変申し訳ございません。
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ダンジョン
それは10年ほど前に世界に唐突に現れ、人類を進化させた。ダンジョンに入った人たちは『スキル』や『魔法』といったファンタジー作品にしかなかった能力を持ち字始めた。ダンジョン内に存在するモンスターを倒せば世界のあらゆるスポーツの世界記録を書き換えることが出来るまさに進化としか言いようのない身体能力を与えた。
そんなダンジョンだがこの現代世界では生活に根差した身近な存在となっていた。
ダンジョンから算出される鉱物やモンスターの素材などは普通に生活の中で見かけるものとなっていた。
そんなダンジョンではモンスターを討伐し、素材を売買するもののことを『探索者』と呼び始めた。
この日本にもダンジョンはいくつか存在しており探索者の数も今や万を超える勢いである。
そんな探索者の一人である俺『鐘森シュウ』はとあるネットニュースが表示されたスマホを片手に空を仰いでいた。
「バ先が潰れた…」
失業である。いや探索者ではあるので失業はしていないが金稼ぎの場が消えてしまったのだ。
「クソッ…!なんだよ、探索者育成法廃止って…!」
『探索者育成法』
これはビギナーの探索者が経験を積むためベテランの探索者と共にダンジョンに潜り、講習を受けるというものだ。そして探索者にはランクが存在しFランクからはじまり最上位のSランクまで存在する。教官役は最低Cランクからのみとなっており生徒からの指名依頼という形で講習を行う。
だが中にはこの指名依頼制を悪用し、生徒を教官にキャリーさせパワーレベリングを行うことが出来る。
違法性はないもののバッチリグレーゾーンな行為である。
だがこの依頼はとにかく金になるのだ。そもそもキャリーを頼む奴なんて金持ちのボンボンか、プライドの高い奴だけである。大金を払って力を買ってくれる。
「ま、そんな経験のない薄っぺらい力で通用するのなんて精々がDランクまでだけどな」
しかし困った。このままでは金が入ってこなくなる。早急に次の高額バイトを見つけなければ…。
俺は金が好きだ。硬貨が擦れる金属音もお札の匂いも札束の厚みも預金残高の桁が増えるのも大好きだ。
金を手に入れ、増やすために探索者になり、金のために命を懸けて探索をしている金の亡者。それがダンジョン庁が認めた日本に20人しかいないSランク探索者『鐘森シュウ』であった。
俺はベッドの上で寝転がりながら大金が稼げる仕事はないかとネットサーフィンをしているとふと『ダンジョン攻略』というタイトルの配信を発見する。
「あれ?ダンジョン内もついに電波が通るようになったのか、どれどれー?」
気になって配信に入ってみる。そこでは東京ダンジョンの中層5層目ほどだろうか、配信主と思われるツインテールの女性と2mほどのホブゴブリンとの戦闘シーンであった。
「んー…そこそこだなこいつ。ホブゴブリン3体に単騎で囲まれてきちんと無傷で対処できてる」
しばらくすると戦闘も終わったようで女性がカメラの前に帰ってくる。
すると―
¥1000『おめでとう!』
¥3000『無事討伐代』
¥500
¥50000『ミカ様最強!』
楽園がそこに存在した。
彼女が倒したのはホブとは言えど所詮はゴブリンだ。ダンジョン内のヒエラルキーでは最底辺の雑魚である。
しかしそんな雑魚モンスターを倒しただけの彼女は配信では視聴者から数万のスパチャが飛び交っている。
それを見た俺の頭に電流が走る。
ならもっと強いやつを倒せばもっと儲かるのでは?
俺は幸いにも日本に20人しかいないSランクだ。ダンジョンにも下層どころではない、深層にだって潜ることが出来る。ならば――
「俺もダンジョン配信者になる!!」
金の亡者が次なる金稼ぎを見つけた瞬間だった。
「ギャハハ、そうと決まれば善は急げだ!!金を用意して待ってろ!未来のリスナー諸君!」
ギャハハハハハハハ!!!
笑い声をあげながら俺は大金を想像しダンジョンへ駆け出して行った。
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「というわけでダンジョン配信に必要なものちょーだい」
「帰れ、死ね」
結局、俺はあの後ダンジョンに突撃して配信を始めようとしたところでダンジョン配信をするための機材を何も持っていないことに気づき、知り合いの技術屋のところに機材をたかりに来ているところだった。
「金ならあるぞユリちゃん」
せっかくなら一番いい機材を揃えようという事で一千万ほどは持ってきている。
「そうか、なら金だけおいて帰れ。あとユリちゃん言うな殺すぞ」
「そんなつれないこと言うなよ、今回はまじめな依頼だっての」
「…はあ。で?今回は何が欲しいんだ?」
「さっきも言ったようにダンジョン配信するための機材一式。深層に潜ることも考えてるからそれに耐えられるもので」
「わかった。ちょっと待ってろ」
「はーい」
俺が今回ダンジョン配信をするにあたって頼ったこの和風美人はユリちゃんこと『杜若ユリ』だ。彼女はダンジョンで使用する機器の開発、改造を行う現代のダンジョンに適応した鍛冶師だ。当然俺なんかよりも数十倍機材には詳しいので今回は頼った次第だ。
「ユリちゃんもダンジョン配信でもすれば?顔はいいしそれだけでも視聴者付いてくれるでしょ」
「ふざけんな、私が人前嫌いなの知ってて言ってんだろお前、それに配信者ってのはそんな簡単なもんでもないだろ」
「いや、今なら簡単に有名になれるだろ。ダンジョン配信者って調べてみたら今最高でBランクくらいまでしかいないっぽいし。下層すら攻略してる配信ってまだないぞ?俺と同じSランク探索者のユリちゃんなら余裕でしょ」
「は、どうだかな…」
ユリちゃんって裏方のほうが好きだからって開発やってるけどこの人、俺と同じ人類の最高位Sランクなんだよな……。俺を含めたSランク連中は癖が強いから大体誰かに振り回されてる気がするけど。
「ほら、出来たぞ映像記録用のドローンだ。お前の戦闘に耐えられるように作ったからかなりデカくなったがその分耐久性とカメラの性能はいいものになってる。それから――」
「さんきゅー!んじゃ、バイバーイ!!」
ユリちゃんが何か言っているが俺はそのドローンをつかみ取りダンジョンへと駆け――
「おい待て」
腕をつかまれた
「金を払え」
「ッチ!」
踏み倒せなかった。
「守銭奴のお前が素直に金を払うとは思ってないからな。」
正解である。
「それにお前それの使い方も知らないし、配信サイトのアカウントの登録だってしてないだろう。」
「しゃーない、払いますよ」
そういって俺は持ってきた一千万を素直にユリちゃんへと支払う。
「毎度あり、アカウント登録なんかもしてやるからそこで座ってチャンネル名でも考えて待ってろ」
「あ、チャンネル名ならさっき機材忘れてダンジョンに行ったときに考えたのがある」
そういってユリちゃんのキーボードを借りチャンネル名を入力していく。
「これでよし、と」
「あきれた。まったくお前らしいというかなんというか」
【守銭奴探索者のダンジョンATMちゃんねる】
登録者1人 収益¥0
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