【第十二話】あれは修羅場という奴だったんですかね?:秋葉実.txt

 今日は偶然、冬至さんと大学の校門前で帰りに会ったので、ご一緒に帰っていたんですが……

 ラブホテルですか、多分あの建物そうですよね?

 都会のラブホテルの割には、なんて言うか、あんまり派手じゃないんですね。

 私の田舎のそういった施設は、なんて言うか、お城! って、感じの場所だったので。

 まあ、そこらから一夏さんが男の人と腕を組んで出て来たんですよね。

 そしたら、冬至さんがものすごい顔をして。

 で、先帰っていてくださいと、言われて、言われるままに、そうしてしまったんですが……


 あれは修羅場という奴だったんですかね?

 冬至さんがあそこまで怒ってらっしゃったのは、一夏さんとそう言う関係だった、ということですよね?

 こ、これは浮気現場という奴ですね!

 おー、昼ドラの世界ですね。

 なんかちょっとドキドキしちゃいますね。

 冬至さんと一夏さんがそう言う関係だったとは驚きですが、お二人とも良い方なので納得ですね。

 良いカップルですね。お似合いです!

 と、言ってる場合じゃないですね、浮気現場を見てしまったわけですから……


 でも、浮気相手の方、随分と大きい身なりをなされてましたが、冬至さん大丈夫でしょうか。

 こういうことは当人同士で決着をつけるべきですもんね。

 外野の私がどうこうと言うのも首を突っ込むのもよくないですもんね。

 そうなんですが、ちょ、ちょっと私もなんだか興奮しちゃいました!

 正直どうなったか気になりますし、冬至さんの安否も気になります!

 これは警察に電話すべきなんでしょうか?


 それで、心配もあったのでアパートの廊下で少し待って様子を見てたんですよ。

 そしたら、一夏さんの部屋の扉が開いて、あれ? 一夏さんは先ほど……?

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