第13話 泣いたカラスは今笑う
「さて油断はもうしないぞっと!」
ティコがそう言って杖を構える。
「七宝一刀流……」
玉藻は、真ん中の尻尾をひとつ刀へと変えた。
「その尻尾、全部刀なの?」
「……」
ティコの質問に玉藻は答えない。
「いいわ。来なさい」
ティコは笑う。
すると雨が降る。
「私の2本目の刀は雨を呼ぶ」
「へ?そうなの?」
ティコはそれだけの武器ではないと考えた。
なので全身に防御魔法を掛けた。
「雷神!」
玉藻は、雷を纏いながらティコに突進する。
「濡れた状態で雷の魔法……
こうかはばつぐんだ!ってことね。
だったら!アース!」
ティコは土の魔法で前方に壁を作る。
すると玉藻はティコの背後に回る。
「アース」
ティコは振り返ることなく後ろにも壁を作る。
玉藻は右へと回る。
ティコは右に土の壁を作る。
玉藻は左に回る。
ティコは左に土の壁を作る。
「雷々!」
玉藻は雷の魔法をティコの頭上に降り注がせる。
「アース」
ティコは四方の土の魔法を繋ぎ止めその雷の魔法を防ぐ。
「これもだめか……」
玉藻は舌打ちを打つ。
「こうかはないようだ……だ!」
ティコがケラケラ笑う。
「雨燦々」
玉藻はそう言って傘をさす。
「おっと?玉藻選手傘をさした?
どうしてこのタイミングで?」
司会がそう言うと雨が怒涛の如く降る。
バケツを引っくり返したという言葉では生ぬるい。
琵琶湖の水位が3センチ上がるくらいの雨が一点に降り注ぐ。
土は水に弱い。
つまり、土の壁は溶けティコは泥だらけになった。
「おっとこれは??」
司会がなにかに気づく。
ティコがニッコリと笑いはなまるのマークを召喚した。
「玉藻選手、合格だ!!!」
ティコのその一言で玉藻も合格となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます