第46話 サバト再び…
「今日は歌うぞーーー!!」
「「「おーー♬」」」
エコー効きまくりなマイクを片手にお立ち台で音頭を取る新妻華恋と幼馴染御一行様(笑)
ここは華恋達が学生の頃から通い詰めていたカラオケBOXの一室だったりする。
元旦二日…
急な事ではあったが華恋のお誘いのメールで喜んで集まった凛夜・茅野・麻音の三人の同僚兼幼馴染。
何時も二日の日には、皆で揃ってカラオケで弾けまくっていたのだが、今年は華恋が結婚した事で《どうしようか》と各々考えていたらしい。
かと言って、他に何をするかと問われても何も思い付かない三人…
その時、当の華恋からカラオケのお誘いがあったもんだから皆喜んで出てきたのだった。
「華恋何注文する?」
「勿、何時ものセット♡」
「皆も?」
「「YES・MOM♪」」
「MOMじゃないって(怒)」
このやり取りがこの四人の恒例だった。
凛夜がフロントに連絡してメニューを注文する間、麻音が一番に歌う。
その間に残りの茅野と華恋が次の歌を入力して、最後に凛夜が入力するのだ。
そして注文したメニューが届く頃には室内のボルテージはアゲアゲ状態になっていた。
先頭の麻音は某アイドルグループの歌を…
華恋はJPOP、茅野はなんと演歌を…
そしてそして凛夜は…
「俺の歌を聞けーー!!」
バリバリのロックをライブバージョンで歌うのであった。
しかも普段クールビューティーなイメージを醸(かも)し出す彼女からは、なんか想像がつかない位豹変して歌ったりする(汗)
「相変わらずだし凛夜…」
「ホント何気にこぇ〜よ…」
「あら茅野だって相変わらず渋いチョイスじゃない」
「麻音もな」
「続けてもう一曲いくぞーー!!」
「お〜(汗)✕3」
凛夜…
絶好調である(笑)
それから約一時間後…
ちょっと休憩に入る華恋達。
「ん〜〜久しぶりのカラオケ〜♡」
「凛夜弾けてたね」
「皆もじゃない♪」
「凛夜には負けるわよ」
「ウンウン✕3」
「麻音までそう言う〜」
凛夜よ…
実際誰が見たってそうだってば…
否定する凛夜の頬が膨れる(笑)
こんな崩れた姿も隠す事なく見せるのも、幼馴染同士だからなのだろう。
そこから軽い談笑が始める華恋達。
その時…
「あ、そうだ!皆この後何か予定してるん?」
いきなり華恋がそんな事を皆に聞いていた。
何時もならこのまま誰かの家へ転がり込んで朝まで過ごすのだが、今年は何も決めていなかった。
「別に…なぁ〜?」
「ウン」
「私も」
「じゃ〜家に来るし♡タッくんがさ都合が悪くなかったら皆で鍋しませんかって言ってたん♪」
「「「え?」」」
「でも華恋…いいの?」
そんな華恋の申し出に驚く凛夜達。
なんだかんだ言って幼馴染とはいえ、流石に新婚家庭に正月早々大挙して押し掛けるのはどうかと感じている様だ。
しかし…
「タッくんがね《変な遠慮は無しにしましょう》って言ってたん♪多分…皆が気を使ってるのが解るんだと思う…それにタッくん料理作るの好きだし♡」
そうなのだ。
太郎は華恋をはじめ、凛夜達や冴子らが色んな事に気を使っているのを感じとっていた。
だからこそもう少し肩の力を抜いて、気軽にフレンドリーに接して欲しかったのだ。
それに急激な環境の変化や人間関係、距離感の変化はほっとくと変な誤解やわだかまり、ストレスになるのを知っていた。
おそらくこの提案も、少しでもそれを解消できればと、そう言った意味でのお誘いなのだろう…
「なぁ〜凛夜、麻音…鍋…いいんじゃね〜?」
「そうね…お邪魔しようかしら♪麻音は?」
そんな太郎の気持ちを何となくだが察した二人。
只…
「〆が何か…気になるわ♡」
「「「………(汗)」」」
全員意見は揃ったらしいが…
若干一名微妙に何かが違う様に思えるのは気の所為たろうか?
かくしてその後更に一時間程カラオケで歌いまくった後、皆揃って太郎と華恋の新居に向かうのであった。
ちなみにクリスマスの時の様な痴態を女性陣がさらさない様、今回太郎は紛らわしい酒類等は引っ込めていた。
いや…
本当に引っ込めていたのだ!
しか〜し!
女性陣がまだまだ盛り上がっていた為、太郎は皆より先に寝室に引っ込んだ。
その後足らなくなったジュースの補充に来た華恋が、白ワインとマスカットジュースを間違えて持ち出したものだから…
次の日の朝…
冴子の姿は無いものの…
クリスマスの時の同じ惨状が太郎の目の前に広がっていたのだった(汗)
…続く…
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