大晦日・・・

勝利だギューちゃん

第1話

12月31日。

大晦日。


今日で、今年も終わる。

明日から新年だ。


普段はみない、テレビをつける。

懐かしのコントがやっている。


こたつにはいって、家族で年越しそばを食べている。

〈ちなみに僕の家はインスタント〉


家族団らん。

楽しそうだ。


『メリークリスマス』

赤い服を着たおじいさんが、やってきた。

『いやあ、交通渋滞だったり、トナカイが病気になってりで、遅れました。』


家族は、そのサンタを冷ややかな目で見ている、


そういえば、お正月にサンタがやってきたら、それは早いのか遅いのかというギャグがあったが、これもコントだな。


もし、実際に起こったらどうなるだろう?


「メリークリスマス」

部屋のドアが開いて、女の子が入ってくる。

「ごめんね、交通渋滞で遅れちゃった」


僕はその女の子を見る。


「それでね、プレゼントは全部、落としちゃって」

女の子は続ける。


「代わりに私をあげる」


僕は頭を抱える。


「なあ」

「なあに?」

「楽しいか?」

「わりと・・・」


僕は女の子に声をかける。


「娘よ、あけましておめでとう。今年もよろしく」

「どうして私とわかったの?お父さん」

「俺に、こういうことしてくるのはお前しかおらん」


娘は、クリスマスまでサンタのバイトをしていた。

そして、ためた旅費で僕のところまで来てくれた。


僕は単身赴任の一人暮らしだ。

こうして、訪ねて来てくれたのだが・・・


「で、なんでサンタの格好なんだ」

「一度やってみたくて」

「何を?」

「あのコント」


テレビではまだ、やってる。


「それだけ?」

「うん」

娘は笑う。


「お母さんは、お兄ちゃん〈息子〉はどうした?」

「トナカイとして下にいるよ」


我が家は平和だ。


えっ?

サンタのトナカイは全部メス?


細かいことは気にしないの。

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大晦日・・・ 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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