ハチ公、封印。

ゆき

第1話

「本日正午、渋谷区より、ハチ公の一時封印が発表されました。期間は大晦日から元日の2日間です。」

サルは円卓に向かって、誰に話すともなしに言った。

「分かってる。」

クマは嫌そうだったが、それは千載一遇のチャンスだった。

「最初で最後。」

テングも同意した。

「話が早くて助かります。では、虚民連合、結成ということで。」

皆、次の段階へ進みたいようだ。



テングは選択肢を示した。

「ハチ公の永久封印、渋谷駅周辺のアーティファクト破壊」

「ハチ公の封印は確定でしょう。作業の9割を人間がやってくれてるようなものですから。」

サルは嘲る。

「テングよ、破壊と言ったな。」

クマは再建されることを心配した。

「今の戦力、封印無理。」

彼らにハチ公を改変する力はない。虚空の民はアーティファクトの存在によって力を制限されているのだ。

「第一目標はハチ公として、他には?」

「そうですね」

サルは空を見た。



「なにせ、ハチ公と比べたら他はゴミのようなものですから、重み付けしようにも、困りますね。」

サルの独りよがりな態度にテングは怒った。

「馬鹿な」

「明日の神話は破壊する。力を貸してもらうぞ。」

「失礼。」

サルは頭を下げた。

「明日の神話は私が担当しましょう。ハチ公の封印はお二方にお任せします。封印が終わり次第クマ殿には助太刀をお願いしたい。」

サルはハチ公の封印解除を警戒しているようだ。

「分かった。」

比較的自由に動けるクマは得意気だ。

「テング殿は後退を。貴方といえど、厳しいでしょうから。」

「勘付かれないように務めるが、その時は合図をする。撤退だ。」

「わかりました。」

作戦の大枠が出来上がった。



「じゃあ、行くか」

「敵情視察」

「いい機会ですし、懇親会でも?」






・・・

1話あとがき

・・・

最後までお読みいただきありがとうございました。ここでは、登場人物たちに次回予告をさせてみようと思います。はい、では皆さん、お願いします。

「あー?次回?あぁはいはい次回ね。」「オレが大活躍するっす!」「オレって誰だよ。名乗れよ。」「オレはオレっす。作者が名前つける気ないらしいっす。」「...マジ?ちょ、あれ!?俺の名前...あれ!?」「いくら考えても無駄っすよ。虚空の民にしか名前は与えないらしいっす。皆さん名無しっす。」「モブなのか?俺たちモブなのか?即退場なのか!?」

はい。このへんで。三話完結の予定です。皆さん良いお年をお迎えください&次回もお楽しみに!

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