第70話 勝負は時のウン※

 はぁ~サッパリした。

 風呂から上がってベッドに座る。

 もう10時半か…


 さて落ち着いたところで、色々確認しなければならない。


 ステータスを開こうとしたその時、ワールドアナウンスが流れた。


『条件が満たされたため職業変更システムが追加されました。更なるダンジョンライフをお楽しみ下さい』


 おわっ、今の時間にお知らせかよ。


「くっ」


 頭の中の違和感が一瞬で消える。


 システムの常識に、職業変更が追加された。

 概ね記者会見で言ってた内容と、ほとんど同じ感じだ。


 あ、モンスターの職業の事が追加されてるや。

 ガチャミが言ってた内容みたいな感じだな。


 ん~ギルドで情報共有でもされたのかな?

 それでモンスターの職業を知る人数が増えた事で、条件を満たしたとかね。


 じゃなきゃ記者会見の時点で、お知らせが来てもおかしくなかったし。


 皆さん残業お疲れ様です。

 職員の健康を祈っておく。


 さて早く起きるためにも、今度こそ確認しておこう。


 ステータスオープン。


━━━━━━━━━━━━━━━━━

名前 八女 朱鷺

性別 男

年齢 15歳

職業 勝負師

レベル 3

HP 22/22 MP 20/20 GP 86/86

スキル 【ガチャ】【幸運】【刀術】

【体術】【調教術】【勝負勘】

【妖精の粉】【オヤツ】

パーティー 日本ダンジョン探索者…


称号 【新規ユニークスキル獲得者】

【※※※※※※※※※】【妖精の主】

               ▶

━━━━━━━━━━━━━━━━━


 2レベルアップしてるし!

 何かスキルいっぱい増えてる!?

 そんでもって称号が増えた!?


 いや半分くらいは、そんな予感はあったよ?

 リザルトに経験値や技術値とか書いてたし。

 でもスキルの増えた数とか、称号は想定外だよ!


 はぁはぁ…すぅ~はぁ~。

 よし、こんな時こそガチャ●もんだよな!


 ガチャミの部屋へ行くと、物凄い顔をして項垂れてるガチャミがいた。


『おいガチャミ、どうしたんだ?』


 ノロノロと顔を上げて、次の瞬間に涙がドバッと溢れた。


『朱鷺のせいだよ~!!ううぅ何で百鬼夜行も調教師もセットしてないのに~妖精の主になってるんだよ~!』


 いや聞きたいのは、こっちなんだけど?


『まぁまぁ落ち着け。ほら、迷宮チーズタルトを食っていいから』


 ドアの鍵がかかっているのを確認して、ガチャミを三次元にする。


『ズズッ、チーズタルト~うぅエグエグ、ムシャムシャ、グズッ、美味しいよ~うわぁんムシャムシャ』


 泣くか食べるか、どちらかにしろよ…

 ティッシュで鼻水チーンしてやる。

 もう一度ティッシュを出して、涙と涎も拭く。


『落ち着いたか?』


『う~オヤツをもう1個食べたら落ち着くと思う~』


『落ち着いたようだな』


『落ち着いてないよ~!オヤツ~!』


『五月蝿い。非表示にするぞ?』


『ひゃん!それだけは~お許し下さい~』


 綺麗な土下座だな。

 今日1日で土下座のレベルが上がったか。


『わかればいい。兎に角、時間もないし聞いた事に答えろ』


『ふぁい~』


 変な返事をするな!

 ビクッと土下座したまま震えるが、ホントに時間が惜しいから、さっさと聞きたい事を聞く。


 勝負の画面は、勝負師の職業のせいで、勝負事と判断された時に出る。


 する場合はYesで、しない場合はNoを選択。

 画面をタップするか、言葉や心で意思表示しても選択出来る。


 勝てばリザルトを得るが、負ければペナルティがある。

 リザルトとペナルティの内容は、相手のレベルや勝負の大きさによる。


 今回は、レベル100以上の差がある格上との勝負だから、ハンデがあったため負けてもリザルトを得た。


 状態が無傷の時は、リザルトに上乗せがある。

 無傷でも疲労度が高いと、上乗せ部分は減る。


 リザルトとペナルティの内容は言えないが、ガチャ関係があるのは俺だけ。


 リザルトに経験値と技術値があれば、レベルアップとスキルアップをする。


 スキルアップは、既存のスキル等級が上がるか、スキルを覚える。


 レベルアップやスキルアップに必要な数値は言えない、スキル等級アップかスキルを覚えるかは熟練度や潜在能力で変わる。


 他のリザルトは見た通り。


 称号の妖精の主の条件は、言いたくない?


『非表示か条件を言うか選べ』


『鬼畜~悪魔~サド~ウ●コ垂れ~』


 お前は赦せない言葉を言ったな?


 俺はSの自覚はあるが、ウン●は垂れていない!


『そうか非表示で良いんだな?』


 ガシリと掴んだガチャミの頭を、グリグリと撫でながら聞く。


『い~や~!ごめんなさい~お許しを~!その言葉は二度と言いませんから~どうか、どうか、非表示だけはご勘弁を~!言います!言いますから~』


 白状した条件に呆れ返ったよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る