第40話 劇的トイレ改善アフター

 あまりにも内容が凄すぎて、伝えるのが恐いよ…


 そろ~っと伺うと、何か悟りを開いたような慈悲の笑顔で見守られてます。


 これは…多分わかっててやったんだろね。

 俺も初めは何か出る予感がしてたのに、出した時に何も起きなかったから油断してたよ。


 ああ?!だからガチャミに出すように言ったのか!

 俺が出すと真っ先に触るから!

 でも油断してる時にブッこむとか、こんな時に腹黒属性を発動しないで!!


 もう開き直って斯々然々それそらどうしたと説明したよ。


 とりあえず全て保留になりました。


 いつの間にかお昼になってたから、昼食にしましょうって、食欲湧くか!?


 サブギルマスの結界も時間切れが近いから、しょうがないのでB会議室に帰ってきた。


 あ、先にトイレに行っとこ。

 連れションとサウナは男の友情が深まるってホントかな?

 生憎、俺はそんなので深まらないタイプだが。

 そもそも友情が深いからこそ、連れションとサウナに行ける気がする。


 残念ながら2人は先に会議室に行ったから、連れションはしてない。

 サワラーとしてチェックしたかったような、しなくて良かったような…


 探索者のトイレ事情的に、いつしか誰もが草原のど真ん中でも平気になるらしいけどさ。


 仲間が見えない程に離れた所で無防備に独りになったら、死が待ち受ける環境だからね。


 ブツの処理はテンプレだけど、ダンジョン内で放置してたら1時間もせずに消えるらしい。


 人目を気にする人は、簡易結界が張れる魔道具トイレを買うよ。


 結界のレベルや設備便座などでお値段が段違いなんで、E級ならベニヤ板くらいの強度の囲いだけのヤツで十分だって。

 ベテランになれば高い魔道具に変えるから、中古の掘り出し物も結構あるみたい。


 そうそう、ギルドの地図にトイレポイントとか載ってたりするよ。


 なんと言う事でしょう!


 以前は洞窟の突き当たりだった寂しい空間が、魔道具で立派な結界付きのトイレに早変わり。


 便座は嵩張らないように折りたためる、ワンタッチ方式で持ち運びもスムーズ。


 入口に見張りを立て、安全にも気を使う念の入れ方。


 更に魔道具音姫スライムパウダー早く溶かす粉まで用意された収納棚は、まさに快適さを追及するトイレ空間の匠の気遣い。


 最後の仕上げにダンジョン産のラベンダーオイル消臭剤を1滴たらせば、爽やかな香りに包まれる事でしょう。


 って感じで、更に高級品には認識阻害付きのもあるよ。


 魔道具が劇的に改善されたのは、日本人の並々ならぬトイレに対する思い入れがあるからだとか。


 あ、ちなみに魔道具トイレはオムツタイプも売ってるよ。

 転移魔法陣が刻まれてて、専用のスライムパウダーが仕込まれた密閉袋に入る様になってて、3回分くらい入るから最後はダンジョンに放置すれば処理される。


 オムツタイプって言ったけど、下着と同じだから洗って何度か使えるよ。

 ただし密閉袋が使い捨てになるから、パーティーメンバー分を用意するとトイレを買う方がランニングコストが安い場合もある。


 あとオムツタイプは何度も洗い過ぎて、魔法陣が壊れたのに気付かず大惨事になるケースもあるから、使用回数に気をつけて!

 魔力を流して光らない時が買い換え時だよ。


 まぁ最初は垂れ流すのに凄い抵抗感があるらしいけど、万が一に備えてベテラン探索者は大概が買ってるよ。


 漏らすよりかは、ねえ…


 ついついトイレを熱く語ってしまったが、何が言いたいかというと、見られるくらい平気にならなきゃ探索者になれないって事だよ。


 中にはアルバイト探索者もいるけど…

 2~3時間で戻れる場所だけ潜る人の事さ。

 外でトイレしたくないって女性に多いよ。

 それでも少しずつレベルアップすれば、結構奥まで行けるようになるから。


 あぁ、独り言みたいになってるけど、ガチャミと念話してるからね!


 スキルのA.I.的な存在かと思ったけど、ちゃんと反応するから、中の人があるのかね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る