第28話 2.5次元はなかった
【☆ガチャミのお部屋☆】
やたらとファンシーな丸っこい字体で、大きな文字が虹色にグラデーションされている。
画面の真ん中に妖精みたいな羽根のある3頭身にデフォルメされた女の子が、ピンクのワンピースの裾をヒラヒラさせるエフェクトでピコピコ動いている。
なんだこれ??
ポカーンと3人して眺めていると、いち早く立ち直った早良さんが、端末を取り出して写真を撮る。
あ、やっぱり魔道具なんだアレ。
てか皆に見えてるんだコレ…
俺を囲んでいる結界に触れないように2人が後ろから覗き込んでいるんだけど、早良さんも俺より背が高いけど、サブギルマスが2メートル近い長身なので、トーテムポールの様になってるんですが…
どうすりゃいいの?教えて
「副支部長は少し離れて下さい。八女様は【話す】を押してみて下さい」
話す?
あ、女の子に気を取られて見落としてたけど、下の方に【話す】【ストレージ】【ガチャへ】のメニューと画面の右下の端に◀がある。
ストレージじゃなくて話すで良いの?
振り返って早良さんを見ると、イケメンスマイルで頷かれた。
ドキドキしながら(イケメンスマイルのせいじゃないよ)【話す】をポチる。
すると女の子の横に吹き出しが現れて『ガチャミのお部屋へようこそ☆』と表示された。
おぉ~本当に喋るのかと少し期待してたけど、文字なんだね。
ちょっとガッカリしながら見てると、吹き出しのセリフが変わった。
『初めてお部屋に来たアナタにガチャミが説明したげるね☆』
おおチュートリアルがあるのか?
親切設計なスキルだな。
『まずはガチャミについて知りたいかな?きゃはっ☆』
…うんまぁ……
『ガチャミはスキルの妖精だよ☆』
俺は白目むいてる中学生だよ☆
『ガチャについてサポートするのがお仕事なの☆』
なるほどサポートキャラなんだね☆
『まずはガチャミのサポート設定をしてみよう☆』
ふむふむ設定ができるんだね☆
『二次元と三次元と非表示が選べるよ☆』
なんですと?!
『二次元は今の表示方法だよ☆
へぇ~そうなんだね☆
『三次元はご主人様にしか見えないけど実体化するよ☆いつでも一緒にいてサポートするよ☆』
わ~それは便利だね☆
いつでもこのノリはウザそうだけど……
『非表示はガチャミが消えちゃうよ…クスン☆でもお知らせ設定でガチャミを選択するとガチャミがお知らせするよ☆』
なるほどサポートが必要なくなれば非表示にしても良いのかも。
お知らせの設定もあるのか。
確かに最初のガチャチケットのお知らせはちゃんとした文章だったから、とりあえず今は設定しなくていいか。
『さっそく、どの表示にするか選んでね☆』
セリフの後にガチャミが消えて、新しいメニューが表示される。
【二次元】【三次元】【非表示】【お知らせ設定】
チラリと早良さんを伺うと、二次元を指示された。
まぁ三次元は俺しか見えなくなるからね…
ちょっと見たかったけど。
二次元を選ぶと、またガチャミが現れた。
『二次元だね☆ガチャミの可愛さは二次元じゃ伝わらないと思うけどヨロシクね☆』
うんまぁ…ヨロシク☆
『表示方法を変えたい時やお知らせの設定はガチャミの頭をナデナデしてね☆』
ナデナデ!?
それしか他に設定方法ないの?!
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