第25話 フラグは必要ですか?
モンスターとのレベル差がありすぎる人と戦闘に貢献しなかった人には経験値が入らないルールによって、誰の経験値にもならなかったビッグラットのモブ度合いが可愛そう過ぎる件。
どうか安らかに…と遠い目で冥福を祈ってた俺の目の前に、突然ウインドウが開いた。
「ふぁっ?!」
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おめでとうございます!
初めてのドロップを確認しました。
初回特典のDガチャチケット[S]を
獲得しました。
獲得枚数1枚
このままガチャをする【次へ】
後でガチャをする【閉じる】
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ウインドウに表示された内容にポカーンとなる。
「八女様、どうかしましたか?!」
「朱鷺君、何があった?!」
俺が奇声を上げたまま固まっているのを見た早良さんとサブギルマスが、焦ったように詰め寄って来た。
「あ、いや、そのドロップ?…いやガチャが……」
俺が何て言えば良いか悩んで言葉に詰まると、いきなり俺の周りに光のドームが現れて閉じ込められた。
ええぇ~何これ?!
「朱鷺君、動かないで!」
思わずドームから出ようとしたらサブギルマスに止められた。
アワアワと早良さんとサブギルマスを見ると、2人とも真剣な表情でドームの外側から俺を挟むように身構えている。
「あの早良さん、サブギルマス、どういう事ですか?」
メチャ真剣にプラン
「八女様、どうか落ち着いて下さい」
いや落ち着くのは2人の方じゃない?
俺はすでに落ち着いてるよ?
「とりあえず副支部長のスキルで八女様を護っていますので、絶対に何もせず結界内から出ないで下さい」
へぇ~サブギルマスのスキルって結界系なんだね。
何もせずって、何かしたら何かされちゃいそうな雰囲気なんで何も出来ませんよ。
お~なんだか哲学っぽい。
「早良君、外側にも結界張ったからOKだよ」
いや何がOKなの?
いつの間にか早良さんとサブギルマスの後ろにも光の壁が現れて通路を塞いでいる。
「あの、何があったんですか?」
こんなに結界で護らないとダメな何かがあるの?
「早良君どう?」
「魔力に異常は見られません。スキル発動の痕跡もありません。他に気配もありません」
「そうか、ではプラン
あの~質問は無視ですか?
さっきから中二病っぽいワードが出てますが、プランαとかΔって何ですか?
しかも早良さんの右目が青白く光って見えるんですが、もしかして「右目の封印が疼く」とかやっちゃいます?
俺を置いてきぼりにしてる大人2人が、真剣に中二的なやりとりしてるのを見ると、仲間外れ気分になってきて、俺もノリノリで入るべきか悩むなぁ。
「俺に構わず逃げてくれ」とか、「俺のせいで2人に何かあったら自分を許せない」とか、「A級探索者になる夢を叶えるまで俺は絶対に死なない」とか、…盛大なフラグを建築するべきだろうか?
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