第10話 スキルGETだぜ!
「八女様、ステータス獲得に関する注意事項の確認を致します」
「あ大丈夫です。ギルドのホームページで確認してきましたから!」
テンション上がって来た俺は、ワクワク感を押さえられず元気に答える。
プレートを触ったらピカッと光るので、目が~ってなるから目を閉じるとか、ステータスを獲得する際には頭の中に声がするけど驚くなとか、パッシブスキルの場合は即効性があり、身体能力系だと慣れない内は身体のコントロールが利かなくなるので、変調を感じたら無理に動かないとかね。
実は入った時から気付いてたけどテンション上がってスルーしてた、プレート周りにマットが敷かれてるのとか、コンクリートの壁側にベッドが置かれてるのとか…倒れる人がいる前提の設備。
「承知いたしました。それではステータスプレートへ触れて下さい」
さりげなく早良さんが何かあれば対応出来る位置に立って促す。
「よし!」
気合いを入れてから目を閉じて、手を伸ばす。
ひんやりとつるりとした感触のプレートに触れた瞬間、目蓋の裏に光がチカチカと瞬いたあと、真っ白になったと思ったら頭の中に声が聞こえてきた。
『ステータスの獲得を始めます……ステータスの獲得を確認しました』
『続いてスキルの獲得を行います……スキルの獲得を確認しました』
『これまでに存在しないスキルを獲得したため、システム構築を始めます』
『…………エラー……システム構築……エラー……システム構築……エラー……データが不足しています』
『アーカイブからデータを検索します……検索中………該当データが許容量を越えたため圧縮します……圧縮完了……圧縮データをインストールします……インストール完了しました』
『データを元にシステム構築します……システム構築中……システム構築に成功しました』
ふあっ?
これまでに存在しないスキル?システム構築?アーカイブって?
声が消えた途端に俺の頭の中に?マークが渦巻く。
何かネット情報や皆に聞いた話しと違うんだけどー!!
「八女様!大丈夫ですか!」
パニクる俺の肩を誰かが掴んだ。
誰かって
知らない内にしゃがみ込んでたみたいで、同じようにしゃがんだ早良さんが顔を覗き込んで聞いて来る。
「八女様、聞こえますか。調子の悪いところはありますか」
「だ、大丈夫です」
少し息が運動でもしたかの様に乱れているが、特に苦しいとか痛いとかはない。
いつの間にか汗もびっしょりかいていて、何がどうなってんだよ。
「あの、俺はどうなってたんですか」
いや本当に気が付けば汗だくとかヤバいんじゃ。
「いきなり震え出したと思ったら、それは数十秒くらいで止まって、今度は微動だにせず汗をかき出して十秒程で、プレートから手が離れた途端にしゃがみ込んだんです」
それマジでヤバい人っぽいよね?!
重ねて、調子の悪い所や違和感はありませんかと聞かいてくるのに、精神的ダメージ以外はなかったので、特に問題ないと伝えると、ホッとしたように立てるか聞いて来る。
ゆっくりとと言う早良さんに支えられながら立ち上がってみても、特に何ともなく自分の足で立てた。
「とりあえずベッドに橫になりますか」
「いやいや、本当に大丈夫ですから」
ほら、とその場で軽くジャンプしてみる。
「八女様、まだステータスを確認していないのに急に動かないで下さい」
慌てて止められて、そういやコントロールが利かないスキルとかあるから無理に動かないって言われてたんだっけ。
兎に角ベッドに腰かけるように言われて、大人しく従う。
イケメンの真顔は迫力があるね。
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