第12話






匂いを嗅いでいる。

そう思えた。



土に横たわったまま

動かない体躯からだ


確認されているのだと思った。



ぐるり。

影たちが周りを囲んでいる。



耳慣れない声?

言葉?

そんなものが聞こえた。




上手くつばも呑み込めない。

のどに息が

引っ掛かる。

全身が緊張で固まっていく。



死ぬかも知れない。



左手に

なにか握っていることに

気が付いた。





謎の言葉で

会話して、いるのだろう

影たち。





雲の流れも

風も

変わりないのに。


音が聞こえない・・・。










影たちは

何かを言ってきた。
























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