十四杯目 愛

「好きって…どういうことだ?」


「レドさん…鈍感すぎるんですよ!いつも優しくしてくれて…紳士的で…かっこよくて…」


いきなりのことで、レドの頭は大混乱である。


(!? これから告白しようと思ってたのに…逆に告白されてないか…?)


「この前、カフェ荒らした人たちを追い払ってくれたときも…寄り添って大丈夫大丈夫…って言ってくれて…」


顔を隠して言うサヤが、愛しくてたまらない。

今すぐ抱きしめたい気持ちを抑え、言葉を整理する。


「その…サヤ。一つ言いたいことがあるんだ。先を越されたけど…」


深呼吸をして、サヤの手を取り言う。


「君の全てに、俺は惚れたんだ。その澄んだ瞳も、美しい髪も、少しだけ小悪魔な性格も…全てを愛している。君さえ良ければ俺と…付き合ってください…!」


「へ…?レ…レドさん、どういうことですか!?」


「そのままの意味だが…君を愛している。付き合ってください。」


「そ…そういうことじゃなくて…!って、恥ずかしいから二回も言わないでくださいぃ!」


サヤの頭の中は大パニック。

今日のデートではいい感じだった。

しかし、今まではちょっと違うというか…あまり感情を表に出す所を見ていなかったので、まさか自分を好きだなんて思っていなかったのだ。


好いていると言われたことはあったが…


「本当なんですか…?私を…その…愛してるって…」


「嘘を吐くメリットが無いだろう?本当のことだ。」


レドの想いを受け、サヤも自分の想いを伝えた。


「…私も…さっき言った通り、レドさんのことが好きです。だから…是非お付き合いさせてください。こちらからもお願いします…!」


自分の手を握るレドの手を握り返し、頭を下げる。


「…サヤ…顔を上げてくれ…」


「レドさん…」


二人は顔を近づけ…キスをしようと…


ポツッ


「あれ…雨…?」


雨が降ってきた。レドは羽織っていた上着をサヤにかけ…


「とりあえず、俺の家に行こう。雨宿りついでにな。」


「はい!レドさんのお家、どんな感じでしょうか…楽しみです!」


(せっかくいいところだったのにぃぃぃ!!なんでこんなタイミングで雨降ってくるかな…)


二人は急ぎ足でレドの家へ向かった。

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