第375話人は2度死ぬ

今日の仕事は戦場だった。たかが、福祉作業所だが、僕は一般で働いていた時より疲れを感じた。

作業中、携帯がブルブルする。

鹿児島では叔母さんの葬式だから、スタッフに声を掛けてから電話に出た。

弟からだった。

住所を知りたいと。部屋番号を。


叔母さんはとても優しい人だった。

人は2度死ぬと言う。


肉体の死と、人々の記憶からなくなる時。


僕の生きていた証は、息子だけだ。


嫁さんとは半年以上会っていない。

息子とは2ヶ月。

高校は工業高校に進むらしい。

好きな道を歩んで欲しい。


今夜は生ビールを3杯飲んで帰ってきた。

YouTubeチャンネルのホームレス動画を見ていると、自分は贅沢だと思った。


残飯で生きている人がいた。家庭の生ゴミを食べて。

牛丼が不味くなった。

この動画は食事中に見てはいけない。


帰宅してから、合掌した。

叔母さんに対してだ。


叔母さん、本当にお世話になりました。

ありがとうございました。

忘れません。


本日の読み切りエッセイ、これまで!

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