化ケ物
@inman
第1話「化」
俺にはどうやら病気があるらしい、親も医者も看護師も祖父母もだーれも教えてくれない病気。
でも俺は薄々分かってる、きっともう長くないってそれでも生にしがみつきたい気持ちで精一杯生きる。
体には徐々に変化が出てきている、爪が異様に伸びるのが早くなっている、その他にも身長は190cmを超えた、ついこの間まで180cm行ってるか行ってないか程度だったのにだ。
後はおかしいほどに骨が硬い気がする、何を食っても嚙み切れないことがなくなった。
歯はそんなに強くなかったし、むしろステーキなんか食おうもんなら一切れで5分は掛かっていた。
そして手術までの時間は1日、2日、3日とどんどん近づいてきている。
12月23日のテレビをいつものように見ているとアナウンサーが喋った単語に俺は驚き思わずコーヒーをこぼしてしまった。
「世界に謎の病気が蔓延しており、感染すると”バケモノ”になってしまいます。現在治療は困難なため見つけ出し次第即殺害をお願いします。」
俺は意味が分からず「は?」と間抜けな声を出した。
化け物?殺害?意味が分かんねぇ、俺は思わず鏡を見た、そこに写っていたのは、
いつもと変わらない俺だった、一息つき安心し、もう一度まじまじと見た。
だがよく見ると骨格は人間というより狼のようになり、歯は尖っていてまるで動物を狩るライオンや肉食動物のようになっていた。
俺は急いでトイレに駆け込み何かこみあげてくるものをすべて吐き出した。
「俺が化け物....なのか?俺ぁ殺されるのかぁ?ほんほうに生きてかへれるのか?」と思わず口にだしてしまった。そしたら呂律がうまく回らず本当に人ではなく、難病にかかった重症の患者のようになってしまっていた。
病室に戻ると医者と看護師に緊急手術と言われた、あぁ俺は本当に死ぬんだなと思った、だからその手術を拒否した医者は「死んでしまうぞ!今ここで治療をしなければ翔太君の命に関わることになる。」
そんなの知ったこっちゃねぇ俺は俺として生きるたとえそれが化け物になる第一歩だったとしてもだ。
化ケ物 @inman
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