どこが面白いのか分からない。

エリー.ファー

どこが面白いのか分からない。

 分からないように、揃えておきました。

 はい、爆弾の話です。

 二度と、出て来ないようにするためには、ここまでやらないといけませんからね。

 まぁ、徹底した行動は結果として幸福を運んでくるものです。

 面白さなんて、そんなものでしょう。

 所詮は、娯楽です。

 そこで、必死になっても無意味そのものですよ。

 彼の話を聞きましたか。

 まったくもって、傑作でしたね。

 面白いか、面白くないか、ではなく、そこにあるとしか認識していませんでしたからね。

 まぁ、ある意味幸せと言えるのかもしれませんがね。

 ただ、コンテンツの価値を正確に知ることはできないでしょう。

 この時代において、大きなハンデと言えます。

 面白くない話を聞いていてもしょうがない、そんな判断ができない。

 これはね、時間の無駄、というものですよ。

 彼には私から言っておきましょう。

 まぁ、余計なお世話かもしれませんが、彼のためですからね。

 面白さの基準を明確に持っていない人間は、才能がないと思われたり、センスがないと思われてしまいますからね。

 何事も論理的に語られなければなりません。

 だって、そうでしょう。

 自分以外の人に正確に、丁寧に、意味が伝わるように説明できない人間は、何が好きであるかを語ってはいけませんからね。

 だって、迷惑ですから。

 ちゃんと言語化できない人は、面倒で、センスがなく、才能がない人間ですから。

 そういう人に愛されてしまったコンテンツが可哀そうですよ。

 まぁ、その逆もありますけどね。

 え、分かりませんか。

 ちゃんと説明できたら、センスがあると思っている人もいるでしょう。

 迷惑そのものですよね。

 論理的に説明できると、何なんでしょうかね。

 凄く、気にするじゃないですか。

 説明できているかどうかを。

 私、見たことありますよ。

 ものすごく丁寧に、ゴミみたいなコンテンツを、面白い、と説明している人。

 あれ、ちゃんと説明できているから、周りの人たちは、その人のことを凄いと言っていましたけど。

 ゴミを面白いと思っている時点でセンスないですからね。

 あれ、何なんですかね。

 センスがあるかどうか、才能があるかどうか、能力があるかどうか、の指標にならない評価基準を、同じくセンスがなくて、才能がなくて、能力がない人たちの中で共有化して、センスや才能や能力をはかる物差しとして採用する。

 あれ、本当に何なんですかね。

 物理的な法則にも則っていないから絶対不変ではないのに、鼻血を噴出させながら血眼になって地団太を踏みつつ絶対不変だと唾を飛ばしながら言いきって、相手に自信満々で押し付けることで、自分の能力の何が証明されたと思っているんですかね。

 ああやって、才能のなさに気付かれないように勢いで誤魔化すのが流行ってるんですかね。

 本当に、怖いんですよね。

 なんていうか。

 地元にいた、絶対に女を見下してやるって意気込んでいるおじいさんとか、女を絶対に大学になんていかせてたまるかおばあさんと、何も変わらないんですよね。

 年齢が若いだけで。

 実力不足と才能のなさをプライドの高さで水増ししているだけだから、老害と変わらないんですよね。

 本当に、老害を、年齢で区別できると思ってるバカっていますからね。

 老害って、二十代とか三十代でもざらにいますからね。

 あれ、指摘できる年上がいないと、すぐプライドの高いゴミが増えますからね。

 どうするつもりなんでしょうかね。

 

 本当に、どう思ってるんですかね。

 本人たちに聞いてみたいですよ。

 いや。

 やっぱりいいや。

 絶対に、顔を真っ赤にしながら怒り出しちゃうから。

 やめますよ。

 肉体が若いだけのメンタル老害とか邪魔なだけだし、話しかけないようにしないと。

 あぁ、こわいこわい。




「こんな、説教聞いてられないですよ」

「全然、的外れだし」

「あぁ、やだやだ」

「私たちが老害なわけないじゃないですか」

「全くですよ」

「本当に、言ってる間はハイになっちゃってるんでしょうね」

「マジでキモい」

「あれで、自分のことを面白いと思ってるんだから、困っちゃいますよ」

「本当に、どこが面白いのか分からない、です」

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