2-8 Tバック履いたギャルが勝負をしかけてきた!

「見て見て〜♡ オッサンから貰った見せパ〜ン♡」


「おおっ」


 Tシャツの下から現れたのは俺が彼女に初めてプレゼントした『学校に履いていく用のヒョウ柄の見せパン』だった。履いてる姿を生で見るのは初めてだ。普通にエロい。


「ちなみに、見せパンの下には『赤のTバック』を履いてます」


 なん……だと……?


 俺たちが出会って間もない頃に彼女がラインで送ってくれた自撮りのショート動画で履いていたあのTバックを……? ギャルのプリッと滑らかお尻が丸見え万歳のあのTバックが今、目の前に……?


「ごくり……」


「見たい?」


 ミサキさんがイタズラっぽい笑みで尋ねてくる。


「そりゃあ、まあ……」


「ヤダ」


「ぐっ……」


 なんだよ、それ。


「あーしを捕まえられたら、見せてあげてもいいよおー♡」


「ほーう……」


 なるほど。俺と遊びたいわけか。しょうがないな、ちょっと相手してやるか。ついでにギャルの見せパン剥ぎ取って、生尻をしゃぶり尽くすとしますかね!


「いっただっきまあーす♡」


 俺は座った状態から不意打ち気味にギャルの生脚めがけて飛びかかる。が……


「そんなんじゃ、捕まんないしぃー」


 ミサキさんは俺の攻撃をヒラリとかわすと、部屋の中央に置かれたテーブルの向こう側へと回り込む。


「ほーらほーら? オッサン、こっちだよおー?」


 ピンク色のお尻をこちらへ向けたミサキさんはフリフリと腰を振って挑発してくる。


「はぁ……仕方ありませんね……」


 俺はやれやれと立ち上がる。本気でいくか。


「ミサキさん、覚悟してくださいねぇ? そのキレイなお尻に顔を突っ込んでスーハースーハー♡してあげますからねぇ?」


「パンツ見せたげるって言っただけなんだけどおー。オッサン、キモいんだけどおー」


「彼氏にキモいなんて言っちゃいけませんよぉ? ハァハァ」


「キモいんだけどおー」


 かくして、テーブルを挟んでギャルとの追いかけっこが始まった。


「ハァハァ……ミサキさん、待ってくださいよぉ?」


「ヤなんだけどおー」


「お尻クンクンさせてくださいよぉ?」


「超キモいんだけどおー」


 ギャルとの追いかけっこ、楽しいいいい!!


 俺が部屋でギャルと戯れていると、入浴を終えたアヤネさんとリサさんも戻ってくる。2人ともミサキさん同様、パジャマ代わりのTシャツを着ているだけで、ズボンは履いていないように見える。


「あの、アヤネさん!? どうしてズボン履いちゃダメなんですか!?」


 巨乳ギャルに背中を押されて部屋へ入ってきたリサさんはブカブカTシャツの裾を必死に押さえながら問いかける。


「それはもちろん、オジさんのため。男の人ってTシャツ1枚の女子が好きだから」


 頭にタオルを巻いたアヤネさんは「当然でしょ?」と言わんばかりだ。まあ、否定はしないけど。


 それにしても、さすがGカップの持ち主。Tシャツの胸部がパツパツ過ぎて『marvelous(マーベラス)』というロゴが嬉しい悲鳴を上げている。頑張れ、俺のTシャツ。


「ミサキとアヤネさんはいいかもしれませんけど、私はTシャツ1枚なんて無理ですよ!? 今日はエッチなことしないって聞いてたから、私だけ家用の『楽なパンツ』なんですよ!? 見えちゃったらどうするんですか!?」


 家用の楽なパンツ? 何が違うんだろう?


「別に恥ずかしがることないって、リサ。オジさんもきっと気に入ってくれると思うよ。その可愛いらしいク――」


「アヤネさあああああんッ!?」


 リサさんは巨乳ギャルの口を慌てて塞ぐ。可愛いらしいク……とは一体?


 どうしても気になった俺はターゲットを妹へ変更することにした。アヤネさんの口を塞ぐのに手一杯なリサさんのTシャツの裾をそっと掴む。


「俺の妹はどんなパンツを履いてるのかなぁ〜?」


「えっ?」


 リサさんが振り返るとほぼ同時に、ダボダボのTシャツをめくり上げる。


「そおれぇ〜♩」


「ひゃあっ」


 小さな悲鳴とともに姿を現したのはニッコリと微笑む子熊だった。


「おお……クマさん」


 小学生が履いていそうな柔らかな生地感のパンツに『デフォルメされたクマの顔』が印刷されている。彼女が履いていても何ら違和感はない。


 高校生でこの下着を着こなせるなんて、まさに奇跡だな――などと感心しながらクマパンをまじまじと眺めていたら、Tシャツの裾を掴む手がそっと解かれる。


「ん?」


 湯気が出そうなほど顔を真っ赤にしたリサさんと目が合い、彼女の瞳が涙ぐむ。


「あの? リサさ――」


「お兄さんのバカあああああああ――――ッ!!」


 力いっぱい叫んだ妹の蹴り上げた右足が俺の股間にクリーンヒットするのだった。

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