ヒュードロロ


 ヒュードロロ



うらぶれた屋敷の二階に

魔女の猫は眠っているんだよ

擦り切れたカーテンを開けて

浦々の木々が描かれた

キャンバスに光を

天井を飛ぶ食器が主人で

カーペットを歪ませるのが犬

風に吹かれる丸いのが夫人で

そこに光を投げるのが僕


空が落ちようが

夜が落ちようが

椅子は踊るし

窓は騒ぐ。

カラッカラ笑ってはしゃごう

もう西暦すら分からないから


扉を開けて驚かそう

世界を

ギギーッと鳴る音を聞きゃあ

目も覚めるはずだよ

でないと困るよね(笑)


霞のようなあの世も

未練ばっかの現世も

子どもが考えたよな

悪魔のウソ。

バラバラに散って遊ぼう

梢から落ちる葉のように


蜘蛛の巣張った

遠い昔と

瞼に張り付いた

悪い夢と。

生は打ち止め

死は続け。

ガラガラ揺らしてわめこう

地球も生まれたばかりだ

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