第5話 深部の開発

深部に入ると、航空機の開発現場のような施設が発見されました。

そこでは、先ほどの、人型のカエルと同じような姿の、「機械生命」たちが働いていました。

警察官たちは、「公有地の勝手な使用」を根拠に、彼らに立ち退きを命じました。


しかし、彼らは、こう言ってきました。

「3000年後、ここは、我々のものになります。それに、かつて、ここはカエルの山でした。あなた達は、そこを奪った。そうでしょう。」


「しかし、そうとはいえ、今、ここは公有地。勝手な開発等は困ります。」

警察官の一人が言いました。


「勝手な開発ですか。かつて、ここにあったカエルの山。そこは、我々の公有地でした。そこを勝手に開発したのは誰ですか。」


警察官たちは、言い返せなくなりました。

さっきまで、彼らは、何をしていたのでしょう。かつて奪われた山を、取り返している時間を広げようと、未来からやってきたカエルを、催涙弾を投げ、制圧した彼ら。

奪われた山の開発に、必死で取り組み、航空機を飛ばす研究を行っていた、人型のカエルたちに、立ち退きを命じた彼ら。


奪う。奪われる。この連鎖の下に、生きていく。実は、そうするしか生命が生き残る道はない。これは、生命の宿命です。


最後に、カエルたちの一人は、こう言いました。

「君たちは、戦争する。実は、我々もした。戦争では、数え切れないほどの命が消されていく。文明がある限り、生命がいる限り、「奪う。奪われる。」の関係は、加速し続ける。

それでも、生きていく。残酷でも生きていく。この星の生命は、ずっとそれを繰り返すのだろう。」と。

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