異世界に行ったからには、スローライフ希望です
とみっしぇる
住めば都というやつ
俺はイチロー。日本人だ。
元サラリーマン。今は剣と魔法の世界で冒険者をやってる。
駅のホームで間違い召喚。この世界に送られたが、神様ガチャが当たりだった。
神様の部屋。
本物の召喚者は高校生4人。勇者男子に聖女、賢者、踊り子の女子3人。
ハーレムパーティーで魔王討伐。そいつらは、どうでもいい。
「む?残りがおるな!お主は誰だーーー!」
尊大で威圧的な物言いに詰んだかと思ったら、いい神様だった。
失敗を認めてリクエストを聞いてくれた。
スローライフがしたいと言ったら、能力を大幅にアップさせるから勝手に基盤を作れと言われた。
年齢は、31歳から17歳に若返らせてもらい、基礎能力も現地人の10倍からスタート。
無限収納まで持たせてくれた。
スキルは、勇者でも倒せそうなやつを1個、サービスしてくれた。
で、刃が青く光る剣を持たせてくれて、勇者や魔王がいない大陸に送ってくれた。
◆
街から5キロの草原地帯。
盗賊に襲われてる豪華な馬車でもいないかと見渡すと、それどころじゃなかった。
街が馬鹿デカイ魔物に襲撃されてた。
体高10メートルのヘビーモスってやつだ。レベル123。
この国のトップ冒険者が10人でも無理。
なんで分かるか?
神様、高度な鑑定スキルもくれたんだよ。
「げ、いきなりハードモードだよ」
けど慌てない。
スキル『爆発と再生』を神様にもらってる。
絶対に死なねーから、使ってみろって神様に言われてる。
む!
やっぱ、人間側が不利だ。撤退戦だ。
「お前達は街の中に入って、民衆を守れ!」
「ジョディ隊長はどうなされるのですか」
「私はヘビーモスを谷の方に誘導して、崖から落とす」
「無茶です!」
ジョディ、21歳。レベル64。身長180センチ。B99、W65、H103。
俺より10センチもデカイが、すげえ美形。鎧の上から分かる、すげえプロポーション。
神様にもらった無敵スキルの有効範囲は50メートル。
あ、ジョディがヤバい。思わず走ってみたら、おかしいほど速い。
ヘビーモスに踏まれそうだったジョディを抱えて、待避した。
「きゃああ・・あ・・?」
「怪我ないか」
「あ、ああ、助けてくれたのか」
豊満ボディーをお姫様抱っこして、走ってる。お尻の感触も最高。
ジョディを降ろした。頬に付いた泥をぬぐうついでに、綺麗な顔を触った。
「今から、必殺技を使う。巻き込みたくないから近付くな」
すぐに彼女に背を向けた。勃起してるのが、バレそうだからだ。
「必殺技?いや、あんたの名前は・・」
「イチロー」
ちょっとばかり、美人の前で格好付けて、ヘビーモスの方に走った。
「イチロー!」
ヘビーモスの真下に来た。
神様を信じてスキル発動。
『爆発と再生』
え?ピカって、眩しくて目の奥が痛い。爆発すんの、俺の頭なのかよ!
頭蓋骨われてるううう・・
痛てええええええ!
ドムッ!!!
・・・・
「うはあああああ!頭があああ!」
あれ?俺は裸、身体は無事。そんで夜。
「イチロー!」
暗闇の中から聞き覚えがある声。
抱きつかれて、押し倒された。
「あれから2日、お前を探してたんだ。生きてて良かった」
「2日?お、むむ・・」
ジョディが俺にキスしてきて、服脱いだ。俺は裸。
お~、いきなり夜の荒野でピンクタイムに突入だ。
3回戦まで、終了。
ヘビーモスの脅威は去った。俺が倒した。
「ありがとう、イチローのお陰だ」
「気にすんな」
こっちこそ、ごちそーさまと言いたい。
「実は、困ったことになって・・」
街を囲む物見台から、俺達の戦いを見た人がいた。
ヘビーモスを倒した瞬間、物見台から俺は見えてない。
けど叫びながら、俺に右手を伸ばしたジョディは見えてた。
で、ジョディが街に一度戻ったとき、ジョディの伸ばした右手から神の炎が出て、ヘビーモスを倒したことになっていた。
俺、面倒避けたい。
「いいよ、街と人を守ろうとしたのは君だ。俺は手助けしただけだ」
「・・イチロー」
異世界で最初の女だからな。優しくしとけば、もう一回くらいヤらしてくれるだろ。
それに、スローライフ希望者に名誉なぞいらぬ!
多分、この身体と無限収納あれば、金は稼げる。
俺の言葉をどう受け取ったのか、ジョディが離してくれない。
◆
思った通りに金は稼げた。
ヘビーモスと一緒に爆発したのも経験値アリ。いきなりレベルが75で騎士団長のジョディを超えた。
冒険者登録から半年後、ランクはS~EのEのまんまにしてるけど、討伐履歴は街でナンバーワン。
彼女もジョディを入れて4人。
いやいや俺、ハーレムは希望してない。
ここって魔物、盗賊が強くて男子が命を落としやすい世界。
重婚は当たり前。
俺は身体も日本人のまんま。倫理観も日本人そのもの。
ジョディひとりと付き合うつもりだったけど、そのジョディの薦めで女が増えた。
素直に日本人ぽい顔の女も好き。4人の彼女の中のひとりが、細目黒髪で俺好み。名前はマリ。
みんな俺好みで、お尻むっちり。
もう金は5人で30年暮らせそうなくらいある。ジョディもヘビーモスの討伐褒賞金を丸ごと俺にくれた。
さらに半年後。
金は3倍に増えた。女は増やしてない。
ヘタレな日本人だから、4人だって多すぎる。
みんな性欲強いし。
金は増えて無茶しなくてもいいけど、高位ダンジョンに潜る理由ができた。
ジョディの妹が重い病気にかかった。
街の南にある地獄谷ダンジョン最下層でエリクサーを持ってくるしかない。
今の俺、最下層まで到達できる力はあるらしい。
だけど、ダンジョンボスを倒すのは難しいかも。
俺のレベル141。基礎能力も加算されて、人類では勇者達の次に強いかもしんない。
だけど、ダンジョンボスは、スピード上方修正のレベル381。
そこで俺、ジョディと2人でダンジョンに潜ることにした。
俺の自爆スキルがあれば、ダンジョンボスでも倒せる。
倒したあとはジョディがクリア特典のエリクサーを持って帰る。
俺は再生したあと、ジョディに遅れて帰る。
『爆発と再生』
あれから使ってない。とにかく痛いんだ。使いたくないけど、ジョディのためた。
◆
ダンジョンに潜って1ヶ月。
最下層に到達した。
ボスは、デーモン族のアモーーン。爪を伸ばしての切り裂き攻撃が強力。
見た目は、尻尾を生やしただけの水着女子。
「お~ほっほ、来たな人間よ」
『爆発と再生』
ドムッ。ボス部屋に入って3分で終了。
ジョディとは、あらかじめ申し合わせている。
ボス部屋は広い。ジョディは端に寄る。
スピード自慢のアモーーンは、10メートルくらいまで接近させてくれる。
だから、いきなり俺が射程50メートルのスキルを使う。
俺は再生を待つから、ジョディがエリクサーを持って、転移装置で地上に出て帰る。
2日後。
「うはあああああ!」
生々しい爆発のショックを感じたまま、俺は再生した。
裸だ。それより、大事なことを、全く考えなかった。
「ここ、ボス部屋だった・・」
俺のスキルのクールタイムは2日。ここのダンジョンボスのリポップタイムは1日。
アモーーンと目が合った。
本日は来客、要するに接近する冒険者がいなかったからか、パジャマ着て、ソファー座って、テレビのようなもん見てくつろいでる。
「お前、いつの間に・・。よく来たな、愚かな人間よ!」
「おい、そういうセリフ、パジャマから着替えて言ってくれ」
「お前も全裸だろーが」
◆◆
あれから4ヶ月。
俺はまだボス部屋にいる。というか、ダンジョンに住んでる。
1回目の再生直後、裸の俺はパジャマ姿のアモーーンと戦おうと思った。そしたら、攻撃がオール無効判定。
俺、ボス部屋でリポップした扱い。鑑定したらアモーーンの従魔になってる。
神様、調整ミスしたな。
アモーーン、お尻が大きくて可愛いからいいけど、死霊ダンジョンでこうなってたら、どうすんだ。
冒険者パーティーが2組来たとき、従魔扱いを完全に自覚した。
傍観者のつもりだったのに、アモーーンが攻撃されたら、俺も冒険者に反撃しちゃった。
で、今はこうなってる。
「イチローよ、朝御飯はスクランブルエッグでいいか」
「ああ、サンキュー」
「ご褒美は?」
「ちゅっ」
女型のアモーーンは、後ろ姿が扇情的。つい性的に襲ってしまった。
本人が口で否定しても、攻撃判定されなかった。セーフってことは、受け入れOKってことだ。
今ではアモーーンの方が、アハーンって言ってる。
俺も1年間、4人の女を相手にしてて夜のスキルが磨かれていた訳だ。
ジョディに始まり、アモーーンまで、みんなお尻が大きい。
言われてみれば大好きだ。
だから俺のモンスターネームは「フェチロー」になっている。
そこに悔いはない。
そういや、ボス部屋から出られた。けど、ダンジョンから出られない。
完全にモンスターかよ、まあいいや。
アモーーンは俺の欲しいもんくれる。ダンジョンポイントで色々と揃えてもらい、ダンジョン1階の一部を改装した。
いまや、一階奥だけ20キロに広がってて、日本の漁村風になってる。冒険者以外の人間も来る。
ジョディ達も会いに来てくれる。
というわけで、楽しく異世界生活を送っている。
これもスローライフと呼ぶのなら、俺の異世界ライフに悔いなしだ。
異世界に行ったからには、スローライフ希望です とみっしぇる @kyontama
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