第3話 そうだ、冒険者になろう
俺は人と接するのが苦手だ。そりゃそうだろう。友達がいなかったんだから。
でもね、この世界おかしいなぁ。
こんなド陰キャでも話しかける女子……がいる……んだなと思ったが
実際俺にとっては天国であった。
なんか昔男子に囲まれている女子がいたけどそんな気分。
俺は生まれてからまずは状況把握をしようと父親と母親がどんな人なのかを把握した。
俺の母は「マリア」名字や名前といった概念がない世界なのだ。
そして父は「ハルジオン」。母が父を呼ぶときは「ハル」と呼んでいる。
おそらくニックネームのようなものだろう。
なぜ言語が違うのに名前がわかるのかはわからない。
まぁそこらへんもいろいろしてくれたと思うしかないだろう。
そして俺の名前は「ファンド」。
どうやらカッコイイからという名前でつけられたらしい。
そ、そうかな……?
俺は幼少期を楽しく過ごした。
母は出稼ぎに行き、父は家で家事をする。
本当にこの世界は貞操観念が逆転しているのだと思う。
まだしゃべれない俺は周りを観察することしかできない。
この世界は「剣と魔法のファンタージ世界」だった。
まじで聞いてない。
しかも男が最大限優遇されている世界だ。
家はそこそこいい家らしく家が他の家より豪華だ。
だからか……まどから見える通行人がこちらを見ているのだ。
だが……俺を見ているようにも見える。
その時は父に窓からすぐ離れるように忠告された。
まだ言葉を発することができなかった俺はこの疑問をしゃべれるようになるまでもっていくことにした。
その期間外に出ることはなかった。というかさせてくれなかった。
父が目を離しているすきに窓を眺めることしかできなかった。
俺の予想だがこの世界はやはり男の価値が高く、犯罪も多いのだろう。
「あれ……ファンド?」
「う!う~!あいうえお……ッ!しゃべれる!しゃべれた!やった~!!!」
「ッ!?しゃべってる!!!!!マリア!!!マリア~~!!!」
俺たちは大歓喜だった。
とりあえずもうこの人たちには明かしてもいいのかなと思った。
俺はとりあえず父に話してみた。
「ねぇ!父!」
「ん?どうしたの?」
「俺さ、異世界から来たっていったら信じる?」
「そ、そんな流暢に……ッ!?」
「ねぇねぇ!」
「う……うん……なんだか……信じられない話だけど……?」
「この世界についてわからないんだ!男は希少価値が高いことは確かだろうけど今の世界の情勢が変わってるかもしれないしね!」
「……す、すごい!この子本当に異世界人かも!?」
……うまくいきすぎじゃないか?
俺はその後母には内緒にしておくことを父と約束した。
母は面倒くさい気がしたのだ。
やはり押しに弱い……この世界の男の人はみんなこうなのか?
俺はやはり不安になる。
この世界は……本当に俺がいていい場所なのだろうか……?
その後、父から聞かされた情報をもとにいろいろなことを把握することができた。
まずこの世界が犯罪まみれの世界だということ。
つまり治安維持がされていないのだ。
政府といった組織は存在せず男はほぼ逆強姦から交際や結婚に発展することがほとんどらしい。
家の父と母はそういうのではなく普通に恋愛として結婚したらしいがこの世界。
一夫多妻制や一妻多夫が普通らしい。
「……そうか、じゃあ父はあれなのか?強姦されないように家からでてないのか……」
「うん。それもあるんだけど……ファンドを守るためでもあるんだ。」
「やっぱり……誘拐……か?」
「うん。利用される可能性が十分あるからね。ただでさえ男の子だから……成長したら男娼として育てられて奴隷のような生活に……」
「まぁ願望っちゃ願望だがな。」
「え!?」
うん……やはり性欲や貞操価値観は逆転している。
……なるほど……ならこの世界を救うために男娼をするべきなのでは?
いや、違うな。せっかくこの家に生まれたんだ。
この家に報いる選択を……って世界を救うならそんなことも言ってられないか……ッ!
「そうだ!父!今日は外に行こう!」
「!?」
俺はある策が出たのだ。
それは、この家を養うことでもあるし、男娼のような奴隷の生活でもない。
「冒険者……はどうだろう?」
「ん!?」
そうこの世界。剣と魔法のファンタージ世界なだけあって冒険者という職業が存在している。
「で、でも……その職業はッ!」
「わかってる。でもその分家族が楽になれれる」
冒険者は一般的に女性がなる職業だが、男性もなることができる。
しかし男性にはある義務が課せられる。
そう、パーティーを組んだ女性とセックスしなければならないのだ。
これが嫌で世の中の男性は冒険者という役職に就きたくないのだが、これには代えられないほどの報酬がある。
それは家族の一生安泰というもの。
また男性には一回のセックスのたび女性が1か月働いた給料をもらえるのだ。
一生安泰とはどのようなものなのか?それは税金免除と社会的地位の向上。
それに、冒険者協会からの送金だ。
税金はこの世界にもある。
まぁ一応その場所の主のような人がいてその人に一定の食料を収めるといった方式だ。
その税金免除と社会的地位の向上とは利用できる施設が増えるのだ。
一般的に貴族しか使えないような高級施設でも利用可能になる。
まぁお金は取られるけど……
そして冒険者協会から一セックス分のお金が送られるのだ。
「……だけど……それはファンドが負担を——」
「いや全然負担じゃないですむしろご褒美。」
「ッ!?」
おそらくこの世界では俺はセックスするだけで一生安泰だろう。
だが、それだけでは足らない……
俺は!「愛のあるセックス」がしたい!
そこから俺は男を磨くことにした。
第3話終わり
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