ゲオルグ・エルンスト①
城壁前の戦いにて火傷を負った兵士が全員療養院を無事退院するまで、『爆炎術師』ゲオルグ・エルンストは兵士をも
この戦いを通してゲオルグが感じたのは以前と違う士気の高さであった。『爆炎術師』のゲオルグは『治療術師』と違い戦闘に直接参加する、そのため兵士を統率する将校たちとの軍議にも参加していた。軍議に参加したゲオルグは将校たちから兵士たちの雰囲気が変化したことを耳にした。そう、小夜の存在が兵士たちを鼓舞していたのだ。これまでは負傷すればそのまま死んでしまっていた兵士たち、冥福を祈りつつ涙ながらに療養院へ送り出した負傷兵たちが元気な姿で兵舎へ戻ってくるようになった。負傷しても死ななければ治療してもらえる、そんな安心が兵士たちを勇猛にさせていた。小夜は知らずながらに療養院の天使と呼ばれていた。
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