詩の季節


 今は待たなければならない。

 いつかの過去が粉々に砕けて溶けてゆくのを。

 散らばった幾つもの断片が一つとなるのを。

 そして、それがいつかの詩となる時を待たなければならない。


 花冠を戴いていた頃、舞い落ちる雪を小さな窓から眺めていた頃、草原を撫でるなごやかな風のやさしい香り、夏の盛りの雨。


 私が安楽椅子に揺られる頃、それらは詩になる。

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