兎田夕菜の気まぐれで

章魚蘭

プロローグ

目立たないようにする。親友なんていらない、学校生活を有意義に過ごせる最低限の友人を作る。それが俺の高校での目標だった。中学の時、俺は陰気くさいからとかよくわからない理由でクラスの陽キャどもにいじめられ散々な中学校ライフを送った。惨めだった。味方になってくれない先生、クスクス笑っているクラスメイト、なくなる体操服、上履き、筆箱・・・もーう、あんな生活はごめんだ。上履きがなくなるのは地味に困るんだよ、まじで。目立たず大人しく平凡な高校ライフを送るのだ。青春?恋愛?どうでもいい。リア充爆発しろ。

青春や恋愛に夢がないわけではないがそういうのは平穏な学生生活の上になりたつもんだ。中学校で友達の一人もいない、ましてやいじめられていたような奴は平穏な学生生活を成り立たせるのがやっとだ。なんか悲しくなってきたな。



そんな平穏な俺の学校生活はすぐに夢物語になる。兎田夕菜、お前のきまぐれで。




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