僕の探偵
天ヶ瀬羽季
第0話 僕
あの人は僕に言う。
「君の名前は"リゲル"
ー君は・・・ ー」
僕は嫌われ者だった。
母からは暴力が日常茶飯事。
父は僕の生まれた日飛行機の墜落事故で死んだ。
母は僕が生まれてこなければよかった。
そう僕に毎日毎日呪いのように言う。
正直、僕も何で生きているのか分からなかった。
生きたくないとかではなくて、死にたいわけでもない。
ご飯が出てくるから食べて、学校に行かなくちゃいけないから行く。
ただそれだけ。
ある日家に知らない人達がゾロゾロとうちに来た。
その人達は僕に優しく話す。
「大丈夫?これからは大丈夫だからね。」
何が大丈夫なのかも分からない。
たくさんの大人が、僕のことを話していた。
ほっといてほしい。
いらないなんて言うなら、生まれてこなければいいなんて言うなら…
母は虐待で捕まって、僕は施設に入った。
施設内では"いじめ"がある。
年齢関係なく入ってきた順で、いじめられるシステム。
僕も例外なくいじめられた。
でも何も思わない。悲しいとか辛いとか何一つ。
自分で自分の異常に気づくほど、辛いことはないという。
だから、僕はいつ死んでもいいと思っていた。
そして出会った、"あの人"に。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます