パジャマという普段着の話

 それは人を寝巻と呼ぶ、もとい、寝るときに着用する服。総称、パジャマ。もちろん、外に着ていくことは基本的には許されない、許されるのは休みの日の夜のコンビニくらいだ。仕事に着ていくなんて、私服自由の職場であっても許されないだろう。


 だが、それでも俺は夢を見てしまう。ずっとパジャマを着ていたい。時間や場所を問わず、冠婚葬祭も含めて、パジャマが良い。大体服なんて、法律を守るためだけに着用する義務があるというのに、なんで世の中の人々はそこまで真面目になれるんだろう。靴下の色、ボタンの留める位置。何か一つでも問題があるだけで文句を言われるような世間の方が異常だという認識は、社会不適合者まっしぐらだと罵られるだろうか。


 でも、想像してみてほしい。ずっとパジャマの生活を。朝起きてだるだるの服のまま生活を行い、仕事をし、学校に行き、買い物に行く。全く困ることはない!くだらない体面のために、効率を捨てていないだろうか。そもそも機能という意味では着ていて楽で、脱ぐのも楽。パジャマって服の最終形態じゃなかろうか。未だに他の服に固執している人間は進化に置き去りにされた人間といっても過言。過言だ!俺もそっちを責めるつもりはないので、そっちも目を瞑ってほしい!でも、パジャマが楽なのは紛れもない事実だと思う。


 もちろん、タンクトップや下着同然で過ごすのは公序良俗に反しているが、パジャマの場合、服として一貫しているので、問題はないはずだ。逆に冠婚葬祭の中を考えてみたときに、結婚式の場合は、お色直しを待つ間眠れるし、新郎新婦も洋風のパジャマから和風の寝巻に気軽に変えられる!ウェディングパジャマこそ、これからの時代を切り開くカギだ。お葬式の場合は…というかお葬式に関して服だのなんだの言う方が無粋じゃなかろうか。遺族も参列者も楽な格好で悲しみを分かち合い、個人を偲ぶ。その方がよほど暖かいはずだ。祭は簡単だ。酔って寝るならパジャマの方が絶対にいい。


 そんなこんなでパジャマの優位性をご理解いただけただろうか?これを読んだ方々から世界パジャマ革命を始める協力をお願いしたい。とりあえず、個人的に朝のコンビニパジャマを始めようと思う。

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