宇宙の話
宇宙に行った生物。パイロットとして行ったのは猿、犬猫あたりが有名だ。
もちろん人間も。でも本当の最初はハエらしい。
ハエ。割と結構な数の人間が嫌悪する生物。ハエが人類未踏の(※宇宙空間だから未踏というのは語弊があるが)宇宙に旅立った。厳密には被爆量の調査らしい。
その後も猿や犬や猫などが飛び、人間も行き、無事に帰ったり来なかったりしたが、最初のハエは帰って来たらしいのだ。
手でたやすく潰れる奴が、自分の知らない世界を知っている。当たり前のことだが、忘れがちだ。
ハエも犬も猫も猿も、宇宙という概念を恐らく理解していないのに宇宙に行ける。まあ、人間が行かせたのだけれど。それに命を落とす奴もいるのだけれど。ガガーリンに繋がった。当然これを書いている人間は宇宙に行ったことが無いので、こんなに無責任なことを書けるのだが、今は許してほしい。そう、彼らは知らない場所を彷徨った挙句、亡くなったり帰ってきたりしたのだ。
人は、目的地を決めてそこに向かう気がする。彷徨うことはあまりない。旅行や買い物、黄金の国ジパングやら、ガンダーラ、人間はあてもなく彷徨うことをあまりしなくなった。いや、その必要がなくなったのかもしれない。国とか共同体があれば、帰る場所があれば彷徨うわけではない。外出だ。長い外出だ。
宇宙旅行を長い外出、半端ない遠出と言ってしまうのは乱暴だが、そういうことの様な気がする。地球が帰る場所なのは随分贅沢だと思うが、他に帰る場所は無い。
地球で生まれたから地球に戻るのだ。帰る場所はそこにある。長い外出もいつか終わる。宇宙飛行士もやっぱ帰って来たら言うのだろうか。
「ああ、やっぱり我が家が一番だわ。」
じゃあ、そういうことで。
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