第3話 斬りこみ

その夜、豪商は、相変わらず京都から招いた商人たちと遊興にふけっていた。

そこに、地縛霊の殺気は近づいていく。

庭の松が斬られる音がした。

豪商は、まだ気づかない。

庭の桜が斬られる音がした。

豪商は、まだ気づかない。

別荘の玄関の戸が蹴り倒される音がした。

豪商は、ようやく気づいた。

しかし、時は既に遅かった。

玄関に近づいた豪商は、殺気立った、一人の侍が持つ、血生臭い刀に斬り殺されたのだ。

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