第11話



 「「デビルハンター」って聞いたことない?」


 「デビルハンター??」


 「あんたも見たことあるでしょ?街を徘徊する“ゾンビ“を」



 ある。


 ”ゾンビ“。


 数百年も前から、世界各地で社会問題化している謎の病。


 よく漫画とか映画とかでゾンビを描いている作品があるけど、あれとはまた違う。


 「魔物化」


 私たちはそう呼んでいた。


 それまで普通に暮らしていた人が、もともと持っていた理性や人格を失い、姿形までもが変わってしまう突然変異性の病。


 一度この症状に陥ってしまった人は、もう助からない。


 ワクチンの開発が急がれてるみたいだけど、一向に解決策が見えないみたいだった。


 だから、いかなる理由があっても、魔物化が進行した人は“排除される対象となる”。


 国際連盟組織、『常設軍事協力委員会』の人たちの手によって。


 日本にある公安委員会とはまたちょっと違う。


 歴史を遡ればその限りじゃないけど、少なくとも現代では、「放浪病」と呼ばれる魔物化に進行した人たちを対象とした“捕縛”が、日常的に管理されるようになっていた。


 魔物化が起こった人にも家族がいて、友人や恋人がいる。


 単なる「抹消」ではなく、捕縛。


 そのあと、法的に“処理”されるというのが、社会的なルールと国際的な取り決めになっていた。

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