第6話
下駄箱に靴を入れ、教室がある2階に上る。
下駄箱でヒロミと里香に鉢合わせた。
2人とは小学生からの幼馴染だ。
ヒロミも里香も学科が違うため、教室がある場所も別館にあった。
ヒロミは私と同じで普通科なんだけど、スーパー進学コースという倍率の高いコースに入り、里香は総合学科に入っていた。
てか、スズもヒロミと同じスーパー進学コース(略してスパ進)に行けば良いのに、なぜにただの普通科なんだろうか。
我が日本国民の代表とも言える理数系頭脳の持ち主が、平凡な高校生活を送って良いのかと思う。
大学には行くつもりはないのだろうか。
…いや、そう言えば、高校卒業した後は、海外の大学に行くって話も聞いたな…。
いまのところそんな素振りは一切見せない。
ってか見えない…。
朝だって「昨日のドラマ見た!?」とか、「真司くんあの後どうなるんやろ…?(ドラマの主人公のこと)」とか、どこぞのミーハー女子だよと思わせられる発言を連発している。
本当にこの人が、未来で世界を変えてしまうほどの“プロジェクト”に参加しているのか?
なんて思うのも、無理はない。
見た目は少年系やんちゃ女子って感じだし、ゴツい個性的なスニーカーを履き回してる。
ある意味ブルーの上履きが一番似合う女子かもしれない。
化粧なんてしてなくて、スカートの下には寒いからってジャージ着てるし、あんた入学してまだ1週間だよ!?って突っ込みたくなるほどの「実家感」。
学校はあんたの家じゃないよ?
と上から下まで眺めて見るが、注意する先生もとくにいないし。
爽やかなショートボブの髪はほんのりと茶色がかってる。
くせ毛が目立つ私にとっては珍しいどストレートヘア。
小学生の頃のイメージしかないから、久しぶりに会った時はビックリしたんだ。
下半身はともかく、首から上はやけに大人っぽい顔立ちになってたからさ。
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