『平穏』

 美しい子はいつだって不幸だ

 自分が不幸だとは思っていないから

 けだもの共には眩しくて見られない

 もっと幸せをと飢えてばかりの者たちには


 美しい子はいつだって美しい

 誰の所為にもしないから

 横も後ろも見ようとしない

 ましてや誰かの足元なんて


 美しい子が美しいのは美しいから

 理由は美しいことの他にない

 美貌が言葉から始まり魂に終わる

 心の美しい子は最初から決まっている


 あなたの周りにもいないだろうか

 あの子がいると日頃関わりを持たない人々が親しく話をするようになるという美しい子が

 誰にでも分け隔てなくやさしい言葉で出来た子が

 美しい子を見つけられたらあなたもきっとやさしい子

 美しい子を見つけられるようにやさしい眼差しでいること

 あなたの美しくなった瞳に美しい子の美しさが映るように

 最初から決まっている心の美しい子になれるように

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