第1章:最愛なるあなたへ 初夏の日

「あのーすいません。これ落としましたよ。」

君との出会いそれはある初夏の日だった。

微かにラベンダーの香りがする白のハンカチ。

「ごめんなさい!!」

そう言って君は走ってどこかに行ってしまった。

『かわいい』

心の中がギューッと掴まれているような心地がする。

多分、恋した。見ず知らずの女子に。


ちょうどよく友達が来たので聞こうと思った。

「湊ー髪の毛がさ茶髪のストレートの女子知らねぇ?」

「あーあれか?4組の…。」

「4組?」

「まあ行ってみるか。来い」

半強制的に4組に連れられた。ちょっとだけ気まずいな。

「あれか?」

「そうあの子」

少し彼女も心なしか気まずそうだった。

「あれじゃん、鈴村唯奈。」

ゆいな?名前まで可愛いんだな。

「へぇー」

「なに、惚れてんの?」

「さぁな」

言えよーと方をバシバシ叩かれながら教室へ戻る。

また会えたらいいななんて思っている。

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