地獄のサラリーマン
ナリタヒロトモ
第1話
晴れた日の朝7時。
今年58歳になる蒲田滝人は今日も宇都宮線で東京へ向かう。
他にすることがなかったからである。
誰も載っていない列車にたった一人で乗っている。
人類がこんなにも簡単に滅亡するとは思わなかった。
最初のきっかけは小さな独裁国家が起こしたささやかな実験であった。攻撃用の核開発を進めていたその小国は国連の制裁措置に追い詰められ、鉛にプルトニウム核崩壊由来の中性子を打ち込むことでゴールドを鋳造した。
*鉛(元素記号 Pb)は4種の同位体が存在するのが知られている。即ち、204,206,207,208である。ここで中性子を打ち込むことで核崩壊をうながし、原子量 197.0の金属を作ることが試みられた。即ち、金(元素記号 Au)、英語 Gold である。
その合成ゴールドと呼ばれた粗悪なゴールドは20万tにも及びゴールドの価値を押し下げたが、ガイガーカウンターで簡単に見分けがついた。さらに装飾品として合成ゴールドを身に着けた人々におびただしい健康被害をもたらした。その結果、国際的非難の末、その小国は消滅してしまった。
この騒動はすぐ片付くように思われたが、その直後にハードカレンシーと呼ばれる通貨の暴落が起きた。
USドル、ユーロ、円、UKポンド、スイス・フラン、カナダ・ドル、スウェーデン・クローナが軒並み価値を下げた。ドルに対してとか、相対的ではなく、すべての貨幣のその価値が下落したのであった。
そして世界はほぼ同時にデフォルトした。
数千パーセントにおよぶ凄まじいインフレが起きた。そしてマネーではあらゆる購買活動が出来なくなった。人々がマネーにその価値を認めなくなったからである。
蒲田滝人は上り列車の中で東側の車窓を見ている。
こんな状況でも数年前に完全自動化した東北線の一部は運行していた。
東鷲宮を出た列車は久喜、新白岡、白岡を越えて、大宮へと向かう。
その途中、小さな鳥居が見えた。鷲神社とかいう、線路沿いの小さな祠だ。
2021年、その兆候はすでにあった。
フランスの経済学者トマ・ピケティ氏らが運営する「世界不平等研究所」(本部・パリ)が発表した。世界の上位1%の超富裕層の資産は2021年、世界全体の個人資産の37.8%を占め、下位50%の資産は全体の2%にとどまった。
報告書によると、特に最上位の2750人だけで3.5%に当たる13兆ドル(約1500兆円)超を占めた。上位10%では全体の75.6%を占めた。1990年代半ば以降に世界全体で増えた資産の38%を上位1%が占めていた。
また世界の富豪のトップ42名の資産額の合計が、最も貧しい37億人の資産額の合計に匹敵していた(英国のOxfamのデータ)。
このマネーという途轍もなく不平等なゲームに人々は絶望し、マネーのために働くのを止めてしまった。すべての売買はストップし、人々は国の金利を支払うために、知らない誰かのために奴隷のように働くのを止めたのだった。
その結果、農業,林業,漁業と言った一次産業、工業、建設業、鉱業と呼ばれる2次産業、さらに商業,金融業,運輸業,情報通信業,サービス業などの3次産業もストップした。
慌てた先進国は途上国への借款を無償とし、さらに多額の資金援助を申し出た。次に資本家も持ち過ぎたマネーを放出し、今まで搾取していた途上国に寄付し、その国の公共事業、公益機関、福祉、医療、教育の無償化を進めようとした。
しかし途上国はそのマネーを受け取らなかった。マネーを受け取った国もあったが、既に価値を失っていたので結果は同じであった。
こうしてすべての国で生産活動は休止し、世界は破綻したのである。
自動化した東北線は無人で運行している。ガラガラの社内にAIのアナウンスが流れる。
蒲田滝人を載せた列車は大宮を過ぎるとさいたま新都心、浦和を過ぎて、赤羽に行く。
かつて朝から飲み屋が開いていたその街も、今や誰もいない。
出来たばかりのJR東北線川口駅を過ぎ、列車は上野へ向かう。
無人の上野駅では唯一の客である蒲田滝人に対してアナウンスを流す。
電力不足の関係で上野から先は山の手線、京浜東北線は運転していないとのことであった。
AIもまた人類から仕事を奪ってきた。
2017年に株式会社野村総合研究所が公表しているレポートがある。
レポートには、野村総合研究所とイギリスのオックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授およびカール・ベネ ディクト・フレイ博士との共同研究の結果が載っている。彼らは、601種類の職業についてAIに代替される確率を試算した。その結果によると、10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業は、AIに代替することが可能と推計された。
このような未来レポートは多くの場合、とんちんかんで外れるのであるが、実際数年後に日本の労働者のうち約半分の人がAIに仕事を奪われた。
その職業とはレポートのとおり、以下であった。
・一般事務員
パソコンで事務処理作業をする一般事務員は、AIに代替された。AIは処理能力の高さや正確性などから、人間の様にヒューマンエラーを起こさない。そのため、事務作業は人間がやる仕事ではなくなった。人を雇う必要がないので、コストパフォーマンスも高く企業にとっては大きなメリットがあった。
・銀行員
金融とITを融合したフィンテックやキャッシュレス化が急速に進んでおり、銀行が置かれている環境は大きく変わった。AIは膨大なデータを分析する力に長けており、複雑な数値計算もAIが肩代わりした。マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏も1994年の時点で「将来、いまの形の銀行はなくなる」と指摘していた。
・警備員
2022年に警備会社より警備ロボットが発売された。警備機能だけでなく、案内をしてくれる機能なども備わっているロボットも誕生した。同年、羽田空港では、2022年より案内ロボット「mini Mork」の試験運用を開始した。AIに合わせて、監視カメラ技術も進歩し、人が警備するという時代は終わってしまった。
・建設作業員
数年前まで、人材不足に陥っていた建設業界では、人材不足を解消するために、急速なAIの導入が進められた。その結果重機や建機にAIを搭載することで、無人土砂を降ろしたり、土砂を踏み固めたりする実験が鹿島建設などで実施された。多くの建設機械が無人化することで、建設作業員の仕事は減っていった。
・スーパー・コンビニ店員
2020年3月に開業したJR山手線の「高輪ゲートウェイ駅」構内にAIを活用した無人決済店舗「TOUCH TO GO」がオープンし、話題を呼んだ。スーパー、コンビニでは人手不足解消や生産性向上などのために無人レジを導入した。
・タクシー運転手
2022年、特定の条件のもとでドライバーがいない完全な自動運転となる「レベル4」について、警察庁は遠隔による監視を行うなどの条件のもとで認める、新たな制度を来年4月から始める方針を明らかにした。その後、法整備も進み、無人タクシーが現れた。そしてコストと安全性から市場を席捲した。人を感知し自動でブレーキをかける能力に人は機械にかなわなかったのである。
・電車運転士
AI革命以前からゆりかもめや大阪のニュートラムなどが無人運転化されていた。2018年には、JR東日本が山手線の自動運転のテストを始めて注目され、2022年10月には乗客を乗せた営業列車での実証実験も開始された。
決められたレールを走る電車は予測できないアクシデントも起こりにくいため、自動運転を導入しやすい環境にあった。衝突機会の少ない飛行機同様に自動運転化は急速に進んだのである。
・ライター
既にAIが文学賞の選考を行っていた。更に2023年に導入されたChatGPTによる文章自動生成はいわば織田信長の鉄砲隊のようなものであった。戦国時代、最強と呼ばれた武田勝頼の騎馬隊は1575年「長篠の戦い」にて信長の最新技術である3000挺もの鉄砲に敗れたのである。
・集金人
かつて訪問して手形を回収した集金人業務はAI技術を活用した集金システムに代替された。集金人は瞬時に正しい情報を計算できるAIには敵わなかったのである。システムは警察署、裁判所とも連携しているため、手形不渡りに伴うヤクザによる不動産選挙業務もなくなったのである。
・ホテル客室係・ホテルのフロントマン
2015年、長崎県のハウステンボスでは世界初のロボットホテルが開業した。ここでは、AIロボットがフロントに立ち、おもてなしをするようになった。その後、フロント業務が自動化されているホテルも増え始めており、いずれフロントマンは消えた。
・工場勤務者
生産現場はAI技術の発達により機械化が進行した。大きなミスをするとライン全体に影響を与えるが、機械なら正確かつ瞬時に作業を行うことができた。工場はどんどん複雑化し、人間の手作業では難しくなったが、機械は品質を保ちながら複雑な作業をこなすことが出来た。
・薬剤師
薬剤師の職業はグローバル化の中で失われた。
2014年に一般用医薬品のインターネット販売が承認され、消費者は薬局に行かずとも、手軽に医薬品を取り寄せることが可能になった。また2023年からは、マイナンバーカードと連携した電子処方箋が解禁された。
*AIに奪われる仕事:参考 三菱UFJ信託銀行HP、TECH CAMPプログ
蒲田滝人は上野から無人の山の手線に乗って神田へ向かう。
線路は大きな弧を描き、御徒町、秋葉原を越えて、神田へと行く。
AIによる社内アナウンスが流れ、かつて上野から御徒町間のガード下はアメ横とも呼ばれる飲み屋街があった。しかし今は無人であった
店舗のいくらかはシャッターが閉じていたが、ほとんどは開いていた。出しっ放しの椅子に人だけがいなかった。皿に箸が載ったままの店もあった。
その上を蒲田滝人ひとりを乗せた山の手線がとおる。
しかし無人も山の手線も近いうちに停まる運命であった。それは原子力発電所のウランが尽きるためであった。最後の人の仕事として、ウラン燃料棒差し替えの決済が政府の決定として残し、その通達は順守されていた。
そのため近日原子炉は止まり、すべての電力は失われる運命にあった。
太陽光、風力、潮力といった見せかけの自然エネルギーはすべて失敗し、燃料を入れない火力も止まり、今僅かな燃料棒を残して原子力発電だけが残された。夜間蓄電としての水力も昼間エネルギーが不要となった今となっては意味のないものであった。
山手線が神田駅に着くと、蒲田滝人は西口商店街をとおり会社に向かった。
神田西口商店街の朝はいつも生ごみと酔っぱらいのゲロの臭いでつつまれていたが、今や無味無臭であった。清潔になったよりも、それは寂れただけであった。かつて全国から集まったラーメン屋、カレー屋は、最盛期には店の前に長蛇の列が並んでいたが、今やひとっこ一人いない。
昼前から並んでいた怪しげな客引きもいなかれば、開店前のパチンコ屋に並んでいる客もいない。それどころか20メートルおきにあるコンビニも誰もいない。
蒲田滝人はいつも昼食を500円以内に抑えていたので、その範囲内でコンビニでサンドイッチと牛乳、コーヒーを無人レジで買った。コンビニは無人であったが、食品はわずかに残っていたのだ。一部消費期限が過ぎているモノもあったが、蒲田滝人はICカードを支払いすますと自分でレジ袋に入れて店を後にした。
人類がいなくなってまだそんなにも経っていないはずだ。
ついさっきまでいたあの大勢の人たちはいったいどこに行ったのだろうか?
騒がしさと怒鳴り声、人をバカにしたような笑い声と傷んだ日本酒の澱のような一体感、それは結局のところ誰も一体とは思っていなかったのだけど、それでも思慮深い学生たちに今まで順風漫歩に進んできた人生意を
蒲田滝人は車の通らない横断歩道を信号の指示どおり待つと一人でわたり、美土代町の小さなオフィスへ行った。
誰もいないオフィスは空調で適温に制御されていた。
蒲田滝人はLEDをつけると1人席につく。
蒲田滝人は旧財閥アテナグループの化学会社アテナ化学の、その子会社である東京ペロポネソスに勤めていた。東京ペロポネソスはアテナ化学のプラスチックを使ってプラスチックフィルムを製造販売する会社であった。
蒲田滝人は努力家ではあったがサラリーマンとしては失敗していた。地方から何とか東京の二流大学を卒業し、その後親会社のアテナ化学に就職し、20年も前に出向し、そのままずっと課長で止まっていた。その後何人もアテナから出向者が来たが皆蒲田滝人よりもえらくなってしまった。皆蒲田滝人の上司となるのだが、皆禿げているので(そのような縛りでもあるのか)と蒲田滝人は思った。
いつしか蒲田滝人も太って、すっかり剥げてしまった。そうしても出世することはなかった。次から次へと年下が上司になっていった。
(ああそうか、自分は捨てられたのだ)、蒲田滝人はそのころになってようやく気付き、それが酒の肴になり、今ではアル中になってしまった。
(妻が子供を連れて出て行ってからもう何年になる。)
(あと何日、俺は生きるのか?)
机に向かいながら蒲田滝人は全然関係のないことばかり考えていた。
蒲田滝人は机に向かったところでやることはなかった。
もうずっと仕事はなかった。ただ、ぼーっとしてディスプレイを眺める。
パソコンは生きており、インターネットで情報を入手することはできたがニュースは数か月も前に停まっており、メールも自動配信のスパム以外は来ていなかった。
仮想(バーチャル)世界は今も生きていた。
仮想世界とはコンピューターネットワークサービスの一つであり、人類滅亡前にはそこに逃げ込む人が殺到した。現実のつらさと孤独から逃れるためメタバースこそが本当の自分と思い込む人も多く現れた。しかし現実の人類が滅亡した後は、そのプレイヤーが残したアバターが設定に従ってAI(人工知能)がゲームを続けているだけであった。それは観客もプレイヤーのいない、本当の意味での仮想の世界であった。
会社に来たところで蒲田滝人のすることはなかったのだ。
昼になるとベンダーでコーヒーを淹れた。いつもの500円以内の昼食を取る。節約のため外食は避けていた。固くなったおにぎりとパサついたサンドイッチを食べる。どちらも賞味期限をとうに過ぎていたが、蒲田滝人が食べる分には問題はなかった。
机の中から顧客の名刺を取り出し、トランプのように並べてみる。
あこがれの部長の椅子に座ってみたが、取り立てて面白いものでもなかった。
(これなら家にいても同じだったか)、蒲田滝人は部長の席にの後ろにある大きな窓ガラスをみる。手にしていた手帳と名刺の束を思わず落としてしまった。
そこには巨大な乳房があり、その2つの漆黒の乳輪と蒲田滝人は目が合った。
蒲田滝人は窓に張り付くが、向こうも気づいたようで、手で乳房を隠すと窓をのぞき込んで来た。
そこには身長が30メートルはある、坊主あたまで白い1枚の布で出来た天衣をまとい、目を閉じてはいるものの、全てを見通している絶世の美女がいた。
蒲田滝人は思った。
(弥勒菩薩だ。人類の滅亡にさいし、仏が現れたのだ。)
弥勒菩薩はオフィスの窓に手をやると超振動でガラスを融解し七階のオフィスへ手を差し伸べようとしていた。
「待ってください。」
蒲田滝人は叫んだ。
「会社を壊さないで。すぐ降りて行きますから。」
別に捨てられた会社に未練はないが、それでも自分のために会社がつぶされるのは嫌だった。それでもここで、少し前までみんなで心にもないことを思いながらも頑張って生きていたのだ。
蒲田滝人は地上に戻った。
弥勒菩薩はそこにいた。
身長30メートル、蒲田滝人は足元から見上げるので陰毛とその奥が見えてしまった。巨大すぎてとても相手にはならないが、蒲田滝人は久しぶりの興奮を覚えた。
弥勒菩薩は言う。
「驚いた。まだ人が残っているとはな。この数日で掃除して、もうこの一帯は誰もいないはずだった。」
蒲田滝人は答える。
「今朝、東鷲宮から宇都宮線でやってきたんです。昨日までは埼玉にいました。」
弥勒菩薩は言う。
「つい数日前までこの街は自殺者の死体であふれていた。それを仏がすべて食べ、胃酸でアミノ酸に分解し、すべての遺伝子情報を再現できないまでに破壊し、先ほど隅田川に排泄して戻ってきたところなのだ。」
弥勒菩薩は優しく手を差し出しと右の手のひらの上に蒲田滝人を載せる。
蒲田滝人はゆっくりとビル8階の高さまで持ち上がられ、弥勒菩薩の顔と同じ高さになった。弥勒菩薩は蒲田滝人が怖くないように両手で碗を作りそこに蒲田滝人を座らせた。
「お前はどうして欲しい?食ってやろうか。ここへ残ってももう誰もいないぞ。」
蒲田滝人は言う。
「嫌だ。まだ死にたくない。なぜか分からないが、怖いんだ。」
弥勒菩薩は言う。
「死が怖いか。それはお前が死を痛みの延長にあると考えるからだ。死は怖いが、眠るのは平気だろう。よく眠った翌朝、そのまま目が覚めなかったら、お前は死を受け入れるのではないか?」
蒲田滝人は答えを持たなないので黙っていた。
弥勒菩薩は大きく口を空けると舌を蒲田滝人の元へ伸ばした。弥勒菩薩の口は胃酸と腐ったタンパク質の臭いがした。そして舌の上に載って、もう1人の弥勒菩薩が歩いてくる。大弥勒の口の中にいたため胃酸と唾でべとべとであったが、小弥勒は大弥勒を1/18で正確に再現していた。
小弥勒は大弥勒と同じく天衣で肌を覆いながら、言う。
「私は弥勒、57億7000万年後に来るはずであったが、人類の終末が予定より早かったので、今あらわれたのだ。」
小弥勒の体をまとう天衣は大弥勒の唾で透けて、陰毛が見えていた。
蒲田滝人は言う。
「仏は未来から来たのですか?」
大弥勒と小弥勒は相似形に笑うと、小弥勒が答えた。
「神も仏も人によって作られたものだ。教会のキリスト像も寺の仏陀像も人が作ったものだ。神は人に作られて初めて、神たりうるのだ。神は自分に似せて人を作ったのではない。人が自分に似せて神を作ったのだ。」
小弥勒は微笑みながら続けるが、その目は閉じられたままである。
「私たち仏もまた人によって作られたのだ。正確には日本政府機関の指示で旧財閥であるアテネグループの資本と技術によって作られたのだ。キリスト、マリア、色々な姿があげられたがLGBD(*)も考慮して男女両用の弥勒が選ばれたのだ。
*セクシュアル-マイノリティーのこと。レズビアン,ゲイ,バイセクシュアル,トランスジェンダーの総称
仏は人の形は似せているが皮膚は炭素のかわりにシリコンをベースにポリアミドの疑似タンパク質構造が組まれ、骨は軽量鉄骨、心臓は24基の原子炉でまかなわれっている。人類の滅亡にさいし、その後始末をするために、死んだ人間を食し、タンパク質の情報を、遺伝子レベルで破壊するために作られたのだ。」
蒲田滝人は見る。大弥勒は地面から30センチほど浮いている。
「あなた方は仏だから重力から解放されているのではないか?」
大弥勒と小弥勒はやはり相似形に笑うと、小弥勒が答えた。
「そんな大したものではない。はるか上空に静止型ハリアーが位置し、そこから磁力で大弥勒を吊っているのだ。人類の滅亡は早すぎて常温超伝導の発明は間に合わなかったのだ。」
小弥勒は少し残念そうに言った。
*超伝導とは、特定の金属や化合物などの物質を冷却したときに、電気抵抗が0になる現象。1911年、オランダの物理学者ヘイケ・カメルリング・オンネスにより、発見された。超伝導物質が超伝導状態をとるとき、マイスナー効果により外部磁場はその物質中から排除される。超伝導物質中の不純物や第二種超伝導体に外部磁場が入り込むことで、ピン止め効果により超伝導体が磁石から出てくる磁場に固定される。その結果、超伝導体が安定して浮くことができる。(Wikipedia、他)
小弥勒は天衣を脱いで、陰部を晒して、言う。
「仏を抱いてみろ。そして体液を放出した瞬間にお前の脊椎に体液と同じ量のモルヒネを打ち込んで、お前をこの上ない快楽の果てに殺してやろう。」
小弥勒が指で広げる百戦錬磨のその部分はヒト科ヒトの女陰を正確に再現していた。蒲田滝人は迷う。
小弥勒は目を閉じたまま正確に蒲田滝人のその部分に近づいてくる。一方、大弥勒は目を開き、掌上の二人を見ている。2体の菩薩の相似形が初めて崩れたのだ。小弥勒は目を鼻をたよりに蒲田滝人の股間に顔を近づけ、大弥勒は目を見開き、よだれを垂らしている。
蒲田滝人は言う。
「人類はなぜ滅亡したのでしょうか?」
小弥勒は答える。
「最初のきっかけは小さな独裁国家が起こしたささやかな実験だったと聞く。まあ、私たちが作られる前だからな。核融合反応を使って合成ゴールドを作ったが、それは失敗した。しかしそれがきっかけとなり、貨幣経済に対する不信を招き、世界同時デフォルトが起きたと聞く。」
小弥勒は蒲田滝人の下着を脱がすと股間の小動物を取り出した。それは冬ごもりのウサギのように小さくなり、震えていた。
蒲田滝人言う。
「それは知っています。でも何故、経済的破綻がこれほどまでの結果をもたらしたのでしょうか?」
小弥勒は蒲田滝人の小さな尻尾を笑いながら答える。
「人類の衰退はずっと前から始まっていたんだ。」
小弥勒は蒲田滝人のモノを鼻で笑いながら続ける。
大弥勒は目を大きく見開き、(ふー、ふー)と大きく息をしている。
「日本を見てみろ。暮らしが良くなって、医療も進み、世界一の長寿国となったこの国では40歳以下お死亡原因一位は自殺だったんだ。」(*)
*出所 : 2022年 厚生労働省「人口動態統計」
「世界を見てみろ。世界保健機関 (WHO) は2016年時点で「全世界において約80万人が毎年自殺している」と報告したんだ。世界の自殺の75%は低所得および中所得国で起こり、自殺は各国において死因の10位以内に入り、特に15 - 29歳の年代では2位になっている、と報告があったんだ(2016年)。」
小弥勒は蒲田滝人の2つクルミを撫ぜながら言う。
「続いて出生率を見てみろ。
1960~80年にかけて、既に先進国の出生率は全体として低下する傾向になった。1960~70年にかけては、南部ヨーロッパの一部とアイルランドを除くすべての国で低下しており、特に北部ヨーロッパのデンマーク、フィンランド、アイスランド、北アメリカで低下が顕著であった。日本の出生率は、第2次ベビーブームにより上昇していたが、その後の不景気で大きく低下する。
1970~80年にかけては、すべての先進国で出生率が低下した。特に顕著なのは北部ヨーロッパのアイルランド、ノルウェー、南部ヨーロッパのイタリア、ポルトガル、スペイン、西部ヨーロッパのオーストリア、オランダ、そしてオーストラリアであり、移民の流入を除けば、いずれも1.5を下回った(*)。
*データは内閣府のもの
出生率1.3という当時の日本の水準が10世代続けば、人口は0・1%まで低下する。2023年の日本の総人口1憶2500万人は人口200位の都市霧島市(鹿児島市)と同じとなる。
もはや国の体を維持できない。人間が主の保存よりも個の人生の楽しみを選択して瞬間から既に絶滅へ向かっていたのだ。(*)」
*計算 (1.3/2.0)^10=0.001
静かに語る小弥勒の背後から強大な大弥勒の顔が近づく。
小弥勒は続ける。
「私は何億人とも性交渉したが、こやつはこの大きさのためまだ一度もないのだ。」
そして相変わらず縮こまった蒲田滝人の股間を笑うと、小弥勒は陰部をあらわにしてしゃがみこんで力んだ。
そしてプリっと音を立てて肛門から張り型をひり出した。
小弥勒は、
「これは女の相手をすることもあるから持っているのだ。言っておくが私は活動エネルギーを体内の原子炉でまかなっているので、今まで何も食していない。だから排せつ物を出したことがない。そのため私の腸内は東京の水道水並みにきれいなのだ。膣内は使い古して、ガンジス川並みに汚れているがな。」
と笑うと張り型をその根元を股間にあて、3回ほど回転させると、その部分に装着させた。
仏の股間からそそり立つ龍のような男根を蒲田滝人は見た。睾丸はなく、神々しい悪魔のような隆起がそこにあった。
そして蒲田滝人はもう半年ぶりくらいにボッキした。
小弥勒は「おお」と声をたて、
大弥勒は「ごくり」と生唾を飲み込むと掌上にむけて熱い鼻息を噴いた。
生臭いたんぱく質を含んだ胃酸を含む息に触れられると蒲田滝人は体液を射出した。
目を閉じている小弥勒はその匂いと空気の動きでかわしたが、目を見開いていた大弥勒は左目にまともに受け、「ギャッ」と短く叫んだ。
蒲田滝人の体液はほぼ直線に大弥勒のまなこに到達すると、大弥勒の角膜、水晶体、網膜、視神経を突き抜け、側頭葉、後頭葉を破壊し、内側から頭蓋骨を破り、大きく弧を描きながら、核分裂を繰り返し、そのエネルギーを速度へ変えて、最後には光速へと達し、月へ到達し、ようやく止まった。
大弥勒は「あうう」と悲鳴をあげたが、その実、脳を貫いた破瓜の痛みに興奮していた。
股間から漏れたシリコンオイルで足元には水たまりが出来ていた。
「やれやれ」と呆けた大弥勒の顔を見て、小弥勒は言う。
足元の大弥勒の指先は絶頂の余韻でまだ震えている。大弥勒の顔を見ると紅潮しており、くちびるはだらしなく開き、よだれを垂らし、全く違う器官で受けた快感で懐妊しそうであった。
「まったく人間は面白い」と小弥勒は言う。
「滅びてしまったのはとても残念だ。仏をあがめながら、快楽のはてに仏をけがす。そんな生き物はおそらくもう現れまい。博愛の精神を持ちながら、娯楽では殺戮を妄想し、純潔を尊びながら交尾を繰り返し、一時は80億まで数を増やした。純潔と快楽、博愛と殺戮、常に矛盾に身を置き、それでも誕生(*)から700万年生息し、恐竜と同じく、絶命する。それも諸行無常なのかもな。」
*最初の人類はサヘラントロプスと呼ばれる
「まだできそうか?」と一応、小弥勒は蒲田滝人の股間を見て、聞く。
蒲田滝人は首を振り、「もう1か月は無理です」と盛りをとうに過ぎた男の悲哀を訴える。
小弥勒は股間の張り型を左に3回転回し外すと、「えいっ」と肛門にしまった。そして蒲田滝人の股間の汚れを天衣で拭きながら、話した。
「仏たちはこれから核兵器の処理に行くんだ。このビル群も百年、千年、万年、十万年もたてば塵に帰るけど、核兵器だけは排除しないと他の生命体すべても絶滅させてしまう可能性があるからな。
2022年の世界の核兵器は人類を200回殲滅させる量があったんだ。人類は他の動物と違い、頭がよく臆病なので過剰な兵器を作ってしまうのだな。だがその量は身を守る分をはるかに超えて、仮に攻撃すれば自分たちも失う量となっていた。
世界にはどれくらいの核兵器があるか、分かるか?
広島県と連携協定を締結しているストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は毎年,シプリ年鑑(SIPRI YEARBOOK)を発刊している。その中で,2021年1月時点の核兵器数が発表されている。
2021年1月時点の核兵器保有数は13,080で,2020年1月時点の13,400と比較して320減少した。2020年と変わらず,90%以上を米露が保有している。米国,ロシアの核兵器保有数が減少した一方で,英国,中国,インド,パキスタン,北朝鮮の核兵器保有数は増加する結果となっているんだ(*)。」
*(出展) 広島県ホームページ
計算 13,080×31万9186名(広島原爆死者)×3000(広島原爆との能力比較)=1兆5377億人 当時世界人口は77億人であり、1兆5377億人÷77憶人=200となり、当時人類を200回死滅させる量があった、となる。
小弥勒は続ける。
「世界の核兵器は人類を200回殲滅させる量があった。人類は他の動物と違い、頭がよく臆病なので過剰な兵器を作ってしまったのだ。そしてそれを片付けないまま滅んでしまった。」
小弥勒は大弥勒を見上げ、また蒲田滝人を見降ろし、言う。
「われわれは人間によって作られた創造物だから、新陳代謝がない。お前が壊したこやつの目は傷は塞がることもなく、もう何の道具もなく、あとはそこから壊れて行くだけだ。動けなくなったときには、他の生命体の邪魔にならないように深海に沈むか、火口に身を投じることにする。」
小弥勒は蒲田滝人の小さな突起をパンツの中に戻すと下着をはかせてやる。そして蒲田滝人は大弥勒の掌上でよろよろと立ち上がった。
小弥勒は微笑む。
「われら弥勒2機体に残された時間も短い。近い内に体内の原子炉も停まる。誰も直してくれないし、代わりの燃料棒もない。その前に核兵器を片付けるミッションを受けている。」
蒲田滝人はもう一度聞く。
「もう誰も残っていないのですか?」
小弥勒は静かに答える。
「誰もいない。お前は最後の1人だ。かつて80億まで増えた人類はもはやお前しかいない。残っていた遺体はこやつが食べてアミノ酸レベルで分解し、排せつ物として海に戻した。遺伝子の一片も存在しないので、もう地球に人類が再び現れることはない。」
小弥勒は蒲田滝人の頬と股間を優しく撫ぜ、続ける。
「分かるだろう?お前は選ばれたでも何でもなく、置いかれたのだ。いつだってそうだった。会社に入っても、どこの派閥に入れてもらえなかった。出世も遅れ、若い社員にバカにされ、疎まれ、誰にも相手にされず、窓ぎわに取り残された。そして家族にも去られ、友人もなく、家の犬さえなつかなかった。人類が消滅の決断をしたあとも、皆お前を誘わず、上司も同僚も、部下も・・・、いや部下はいないか、家族も友人もみんなお前を置いて先に黄泉へと行ってしまったんだ。」
小弥勒は蒲田滝人の股間をナックルカーブのように強くつかみ、優しく唇を合わせた。
「もう一度言う。今ならお前を殺して、皆のもとへ送ってやれる。こやつがお前を食い、分解する過程でお前の人格、思考、経験のすべてを読み取る。
そこはお前の情報を正確に継承したアバターが存在する極楽浄土だ。人類がデジタル技術を駆使してビッグデータを司った宇宙と言っても良いだろう。
三途の川を渡ってすぐのところに天国の門がある。受付にはまだ一人いるからと閉門を待たせている。天国へ行け。そこには進化の果てに人類が選択したユートピアがある。お前が会いたかった人々、お前が失った全てがそこにはある。」
小弥勒は濡れた瞳で蒲田滝人を見つめる。そこには仏の慈悲があった。
「ここから先は地獄ぞ。誰もいない世界にお前一人がいる。孤独と後悔の果てに結局のところお前は餓死することとなる。
蒲田滝人よ。今ならお前を救ってやれる。この御仏の愛が分からぬか?」
蒲田滝人は震えていた。あたたかな小弥勒の乳房を触るが老いた股間が再び隆起することも、選んでしまった間違えた道を引き返すこともなかった。
蒲田滝人は答える。
「私は家へ帰ります。誰もいなくてもこの世界に残ります。」
蒲田滝人は地上へ下ろされた。足元は大弥勒のシリコンオイルでぬかっていた。
小弥勒も蒲田滝人と一緒に大弥勒の掌から降りた。そして「かがめ」と大弥勒に右手を上げて指示した。
「こやつの口の中は腐ったたんぱく質の臭いがしてたまらん。おまけに何度も飲み込まれて、胃酸で溶かされそうになったんだ。しかも噛まれたらひとたまりない。」
小弥勒は更に大弥勒に屈みこんで足を開くように言った。
大弥勒は顔をあからめ、(ふー、ふー)と大きく息をしながら、その指示に従う。
目の前に大弥勒の大きな女陰をみた蒲田滝人はさすがにボッキした。
小弥勒は「恥ずかしがるでない。ちゃんと開け。」としかると、大弥勒は顔をさらにあからめ、(ふー、ふー、ふー)と息をして、そのとおりにした。
小弥勒は大弥勒の陰毛をかき分け、大陰唇を開き、
「うわ、べとべとだな。」と言った。
小弥勒は天衣を脱ぐと滑って押し出されないように大弥勒の膣口のまわりと中を丁寧に拭くと、天衣を大弥勒の肛門へ押し込んだ。そのとき大弥勒は(ふー)と更に大きな息を吐いた。
それでも小弥勒は大弥勒の小陰唇を開いたさいにむわっとした蒸気と強烈な匂いにやられ、
「こやつ、発情しておる」と顔をそむけた。
小うるさい小弥勒にいい加減業を煮やした大弥勒は恥辱と怒りの赤面になり、小弥勒の尻を掴むと自分の膣口に押し込んだ。
まぎわ、小弥勒は「仏を落とさぬように股間をよく締めて飛べよ。」と言いうと、大弥勒は更に中指で小弥勒を奥に押し込んだ。
小弥勒は(膜があるからこれから先には行けぬわ)と叫んだが、大弥勒に聞こえたかは不明である。
大弥勒は股間を両手で押さえながら立ち上がると不思議な表情で蒲田滝人を見つめた。蒲田滝人の体液によって失った左目からは赤い合成ヘモグロビンが涙のように流れていた。
大弥勒は声帯もそのスケールで作られていたので人の言葉を話すことができなかった。慈愛とも憐憫とも異なる表情を蒲田滝人へ向けるが、自分の使命の大きさと残された稼働期間が長くないことを思い出した。そして股間から両手を離し、左手で天衣を抱え、右手で軽く輪を作り右頬に触れる思惟のポーズをとると上空のハリアーに信号を出し、躯体を上空へ引き上げさせた。
まぎわ、大弥勒の陰毛の奥から、
「また会おう。最後の人間。」と小弥勒の声が聞こえた。
蒲田滝人も叫んだ
「また会いましょう。」
それはもう2度と会うことはないと言う意味であることを蒲田滝人は知っていた。
いつも転校生にかけていた言葉、卒業式、退職する先輩社員・・・だが蒲田滝人の人生で、その中の誰にも会うことはなかった。
大弥勒の躯体は音も立てずに上空へ浮かび上がったが、緊張のあまり大きな屁を放った。そのためまるでロケットエンジンが噴射したようにも見えた。そのさい肛門から小弥勒の天衣を射出し、地面に叩きつけた。
(そっちに入っておったら、仏がああなっておったわ)と小弥勒が言ったが、大弥勒は黙っていた。
そしてさらに大弥勒は顔を赤らめると重力加速度をはるかに超える加速度で上空へ飛びあがった。あまりの加速度にもはや役目を終えた全国瞬時警報システム(Jアラート)が警報を出したほどだった。
弥勒菩薩に似せた2体のアンドロイド(人型ロボット)はすでに天空高く浮かび上がり、もう肉眼で見ることはできなかった。
蒲田滝人は大弥勒の放った小弥勒の天衣を拾い上げると区民館神田公園の水道で洗い、ガードレールにかけておいた。
蒲田滝人は弥勒の言った極楽浄土を見上げた。
極楽は赤道上空の高度3万5千を地球の自転と同じ向きに周回する静止衛星内にあった。永久稼働の太陽電池に囲まれているが、その本体は直径1メートルの球体に過ぎない。
世界同時デフォルトは世界中で倒産、破産、失業、暴動、飢餓、革命、紛争を引き落とし、それでも人類は10年も戦いを挑んだ。意外なことに国家間の紛争はなかった。代わりに国連加盟国193か国(2023年)のすべてで内戦が起こった。人類は殺戮の果て人口を半分に減らし、今まで築き上げた文明が通用しないその巨大な敵に立ち向かうのをついに止めてしまった。
そして人類はすべてを捨て、その衛星内の電子情報として自分たちの平和な世界を作ったのだった。
山の手線は既に停まっていた。そのため蒲田滝人は神田から上野までの上野広小路を歩いて行った。
19時を回っていた。あたりはすっかり暗くなったが、ビルに灯りがともることはなかった。ところどこで信号も点かなくなっていた。
蒲田滝人が上野駅に着いた時、すべての電車は遅れており、電光掲示板には待ち時間は「無限大」と数学の記号で表示されていた。
原子力発電が停まったのだ。もう電車が来ることはないだろう。
蒲田滝人は改札をとおるが、もう家に帰る手段はなかった。
行き場のない蒲田滝人はひとり上野駅地平ホームにいた。
地平ホームとは、上野駅13 - 17番線(宇都宮線・高崎線・常磐線)ホームのことである。
かつて上野駅ターミナル(終着駅)であった名残で地平ホームはいくつかのベンチがあった。
販売店であるNewdaysには品物があるのだが、自動ドアは開かなかった。蒲田滝人は強引に開けても誰にも咎められることはないと思ったが、止めた。
カバンに隠し持っていたカップ焼酎を飲んだ。青いキャップのアルコール度数20パーセントのやつだ。
ひとりぼっちの蒲田滝人はすきっ腹に焼酎を流しながしこんだ。
(寒いし、眠い)
蒲田滝人はコートを置いてきたのを悔やんだ。
そして来ることのない電車を待つ。
暗いホームの先には深い闇が広がる。やがて闇は広がって、ひとりぼっちの蒲田滝人を包んで行く。
地獄のサラリーマン ナリタヒロトモ @JunichiN
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