第200話 次のステージ
ガッションガッション。
サンドバッグが物凄い音を立てて揺れまくる。
ガッションガッション。
こんなパンチを人が受けたら死んでしまうんじゃなかろうか。
ガッションガッション。
周りのジムの練習生達に畏怖の視線で遠巻きに見られてるけど気にしない。
ガッションガッション。
そう。何故なら今の俺は無敵だからだ。
「おい、そこの浮かれポンチ。サンドバッグを壊す気か。潰れたら自腹で弁償せえよ」
「ふはははは! 構いませんよ! 特にお金の使い道がありませんからね! どんと来いです! 今の俺は誰にも止められません! 今ならコザク選手にも勝てそうだ! ふはははは!」
ガッションガッション。
「あかんわ。今のこいつマジでめんどくさいぞ」
めんどくさいとか言わないで。
確かに自覚してるけど。もう少しこの余韻に浸らせてほしいのです。なんたって皇拳聖に彼女が出来たんだから。
「ほな、気を取り直して。次の対戦相手の事やけど」
「うす」
満足するまでサンドバッグを叩いて少し落ち着いて。会長室に連れられて真面目な話に。
「ウェルター級の王座は全部返上。スーパーウェルター級に進む訳や」
「はい。ここからはさっさと階級を上げていきたいっす。ウェルター級でガンホと戦うって目標は達成しましたから。終わり方がアレでしたけど」
「それはお前の自業自得や。拳士にも言われたやろ」
「うす」
「拳士に散々言われたやろうから、ワシから言う事はないけどな。次からは仕留めれる時に仕留めろ。いつか足元掬われるで。で、スーパーウェルター級はお前の代理人と話し合うてるけど、対戦相手はこの二人に絞られそうや」
会長がタブレットを操作して、次の対戦相手候補の情報を見せてくれる。
どっちもアメリカ人の選手みたいだ。
「こんなん言ったらなんやけど、スーパーウェルター級は小粒の選手ばっかりやな。目立った戦績を残しとる選手もおらんし、チャンピオンもコロコロ変わりよる。この二人もとりあえず一回は防衛に成功しとるから、選んだだけやし」
「ふむふむ」
「ボンがよっぽど馬鹿やらかさん限りは勝てる相手や。どうする?」
タブレットをぺしぺしして情報を見てみるけど、確かに際立った成績を残してる訳じゃない。
いや、世界チャンピオンになってるんだから滅茶苦茶凄いのは間違いないけど…。会長の言う通り、油断さえしなければ負ける相手だとは思えない。
いや、こういう考えが既に油断なのか?
難しいな。
「白鳥さんと相談して話がまとまりやすい方がいいです。今はとにかく試合がしたいですし」
「さよか。ほな、その方向で話を進めるわ」
「お願いします」
この無敵状態で早く試合をしたい。
浮かれポンチになってしょーない試合をしたって言われないように圧倒的な試合を見せないとな。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
はい。って事で今章は終了です。
お疲れ様でした。
滅茶苦茶長くなってしまったウェルター級編。途中で寄り道しまくったのが原因なのですが…。まあ、こんな事もあるよねと。
で、スーパーウェルター級ですが、飛ばそうと思ってます。同じような試合展開にしかならなそうだし、作者的に魅力的なキャラクターも考えてるんですが、それはもっと上の階級で出したいなと。
目標はヘビー級制覇ですからね。
まだまだ先は長いし、対戦相手を捻り出すのも一苦労なのです…。
ダラダラとやるよりはスパッと飛ばした方が良いかなと。スーパーウェルター級の話は掲示板1話で流すと思います。
ではではまた次章で〜。
他の作品も良かったらお願いしまーす。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます