第175話 反響
「おーおー。思った以上に反響があるな」
試合翌日。
ぐっすり寝て、体調も悪くない。ボディを叩かれまくったせいで、これは少し腫れてるけど許容範囲だろう。いや、普通に痛いのは痛いけど。
朝飯をパクパクしながら、テレビを見てると、朝のスポーツニュースで昨日のおれの試合映像や宣戦布告のインタビューを流して、これでもかってぐらい取り上げられている。
これはありがたい流れだ。こうやってメディアも煽りまくってくれれば、流石にガンホ選手も無視出来ないだろう。
「拳聖ちゃん、お行儀が悪いわよ」
「すみません」
ネットはどうなってるんだと、卵焼きを食べながらタブレットを操作してると、ママンに怒られてしまった。
まずはこの美味しい朝食を食べてからにしましょうか。
「ほんとネットって言いたい放題だよな」
減量明けの何も考えずに食べるご飯は最高だぜと、白ご飯を二杯お代わりして、大満足たった朝食。本当はもっと食べたかったけど、減量明けは胃が小さくなってるからね。急な食べ過ぎは良くない。
因みに我が家の朝ごはんはご飯の時もあれば、パンの時もある。母さんのその時の気分次第です。俺はどっちも好きだから良いんだけど。でも目玉焼きは塩胡椒のみ派です。
醤油派やソース派、最近勢力を増してきている(個人調べ)ケチャップ派との喧嘩はいつでも買う所存だ。拳で。
それはさておき。ソファに座りながらタブレットを操作して、ネットの反響を調べていると、俺の発言に肯定的な意見が多数なものの、中には生意気だとか、調子に乗りすぎだとか。
ここぞとばかりに叩いてるアンチ層がいらっしゃる。俺が優等生発言ばっかりしてた時は、弱腰だとか、舐められすぎだとか言ってたくせにさ。
「そういうのは気にするだけ無駄よ。とりあえず文句を言いたいだけの人達なのだから。きっとストレスが溜まってるのよ」
俺がやれやれだぜと思ってると母さんが放っておけと言う。国民的女優である母さんにもアンチはいるからな。
母さんは本当に役者というか、バラエティみたいな番組には一切出ない。それが世間にはお高く止まってると思われてるらしい。
オファーも若い時から来てるらしいが、断ってるらしいしね。別に出たくないという訳でもないみたいだけど。あんまり興味がないらしい。
若い時はバラエティには出ないものの、テレビでは見ない日がないって言われてたくらい引っ張りだこだった母さんですらアンチがいるんだ。
万人に好かれる人なんて世の中には居ないってこったね。
「まっ、とりあえずこの調子で煽ってくれるなら良いか。もう引くに引けないって状況まで追い込めば、ガンホ選手も逃げれないだろ」
韓国はびっくりするぐらい日本に対抗意識があるからな。日本がこれだけ煽れば、韓国も対抗してガンホを持ち上げようとするはず。
是非この調子でガンガンやってもらいたい。絶対に逃さないぜ。
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