ただのゴミ捨て当番…そこでゴミを漁っていたのはまさかの……

猫の集会

そんな展開…ムフフでしょ

 あー、ゴミ捨てだりー…。

 

 心の声がダダ漏れのなか校舎を歩く。

 

 いきなりだが、オレは今学校のゴミ当番なのでゴミを捨てに行く。まさにそんな状況だ。

 

 どんな状況かって?もっと詳しく?

 

 そりゃあ、ゴミ箱片手に歩いてございますね。

 

 両手で持てよ?って?

 

 あー、ムリっす。

 

 両手で持つと、ゴミ箱が前に来てガツンガツンと歩くたびに当たるんでね。

 ってかさ、オレ学校のゴミ箱にゴミなんか捨ててない。

 

 捨ててないのに、ゴミ当番とかマジで理不尽。

 

 無言の圧?じゃないな…じゃあ、ボランティア?

 

 …

 

 ま、どうでもいいか。

 

 それにしても焼却炉の後ろに夕日があって、なんか…焼却炉に火がついていないのに燃えているかのようなあかるさ。

 

 夕日ってすげーな。

 

 …ま、そんな事どうでもよい。

 さっさと終わらせてかーえろっと。

 

 …

 

 シーン

 

 …

 

 それにしても昼間は学校って賑やかだけど…なんか放課後ってさ、いろんなところがだだっ広くて…シーンとしてて不気味なんだよねー。

 

 …

 

 

 

 ゴソゴソゴソゴソ

 

 ⁉︎

 

 な、なにっ⁉︎

 

 …

 

 ‼︎

 

 な、なんかゴミ溜めが動いてるっ⁉︎

 

 えっ⁉︎

 ま、まさか…貧乏神が…出てくるんじゃ…

 

 ヤダヤダヤダヤダ‼︎

 オレに取り憑くんじゃねーぞ‼︎

 

 出てくんなよ、爺さんっ‼︎

 

 

 慌ててゴミをバサバサと捨てて取り憑かれる前に退散…と思ってたら…

 

 ⁉︎

 

 え?

 

 爺さんじゃなくね⁉︎

 

 ゴミを漁る短いスカート姿のだれか…

 

 あんなミニスカート履く爺さんって…キモいだろ…。

 

 じゃあ、婆さん…でもないような…

 

 てか、キレーなあししてんなー。

 

 …

 

 どうする⁉︎ばけもんかもしれないけど…声かけてみる?

 でも、取り憑かれたらこえーな。

 

 …

 

 …意外とスタイルいいし、綺麗系のお化けかもよ?

 

 

 …

 

 なんか…ゴミ漁ってるみたいだけど…

 

 …

 

「あのー…」

 

 一応声をかけてみた。

 しかも恐る恐る。

 

 ゆっくり振り向いたゴミ漁り人間は…なんと、なんと…

 

 超絶美人でしたっ‼︎

 

 夕日に照らされる超絶美人…ってか天使か妖精かよっ⁉︎

 

 あぁ、こんなに美人さんならもっとじっくり後ろから観察しておけばよかったと心からの後悔。

 

 …

 

「え、何?わたし今忙しいの」

 超絶美人は、一瞬振り向いたけどまたゴミを漁り出した。

 

 

 …

 

 何を必死に探しているのだろうか…?

 

「あのっ、オレも手伝います。何を探しているんですか?」

 

「未来のわたし。ってかなんで敬語?」

 

 ⁇

 

 は?

 

 みなさん‼︎

 

 自分の未来ってゴミ箱にあったんですかーー⁉︎

 

 なら、オレも探す‼︎って、なるわけなくない⁉︎

 

「あのー…、それはたぶん…見つからないんじゃないっすか?」

 とオレは美人さんに言った。

 

 すると美人さんは、

「あるよ、絶対に‼︎さっきわたしプリントと一緒に捨てた記憶あるもん」

 と。

 

 あれっ?

 振り向いた超絶美人…って

 

 …

 

 そしてちょうど夕日が雲に隠れた。

 

 …あれ?

 もしかして…

 

 この聞き覚えのある声…

 

 …

 

かおる…?」

「なによ」

 

 …

 

 超絶美人さんは、見間違えで…ただの毎日見慣れた幼馴染の薫でした。

 

 夕日ってすごっ‼︎

 ただの薫をあんなに美人に映えさせるなんて…無料加工すげー。

 

 てか、薫ってよく見たら…

 

 …

 

「つーか、薫…未来探しっていうか進路調査用紙探してんの?」

「うん。」

 

「…バカだねぇ。」

「は?わたし理玖りくよりも頭いい大学行くんだし。バカ呼ばわりなんかさせない」

「いやいやぁ…、薫は相当おバカさんじゃないか〜。」

「なんなのよ?さっきからさ。」

「用紙探すくらいなら、もう一度先生からもらった方が早いだろーに…」

「あー‼︎たしかに‼︎」

 

 薫は、勉強はできるけどうっかりさんだ。

 

 

「てかさ、理玖顔赤くない?」

 

 ‼︎

 

「や、赤くない…ってか夕日で日焼け!そう、日焼けしたわー…。」

「ふふ、そんなんで日焼けしなくない?熱…あるんじゃ…」

 

 バッ

 

 オレは急いで薫の手を振り払った。

 

 これ以上は、危険‼︎

 

 なんか…なんか最近薫と目すら合わせられないってのに…

 

 これって…もしかして…

 

 オレ…薫のことやっぱり…

 

 …

 

 

「ちょっと、なんで振り払うのよ?」

「悪霊退散‼︎」

 

「は?」

 

「と、とにかく成仏してください。さようならっ!」

 

 オレは逃げるように走った。

 

 そしてすぐに曲がり角で立ち止まった。

 

 ふー、あぶねー。

 

 薫があんまりかわいいから赤面しましたなんて言えるわけねー。

 なんて漏れる独り言。

 

 …

 

 あ…

 

 人影…

 

 … 

 

 この影って…

 もしかして…やっぱり…

 

 …

 

「薫…、いつからそこに?」

「ごめん。理玖がゴミ箱忘れてたからついてきちゃった。」

 

 …

 

「いまの…聞いちゃっ…て…ないよね?」

 

 …

 

「聞いちゃっ…たー…かも…」

 

 ‼︎

 

 待って‼︎

 

「薫、顔‼︎顔が赤いじゃん‼︎熱か?また熱でちゃったか?」

 と、オレは薫のおでこに手を当てた。

 

 薫は、昔からよく熱出すんだよな。

 

 

 ?

 ん?

 ない…かな?

 

「これは…熱じゃない…。」

「だとすると…」

 

 …

 

 オレは薫のおでこからそっと手を離して薫の髪を撫でた。

 

 オレをじっと見つめる薫。

 

 …そんなオレも薫をじっと見つめた。

 

 いつも一緒にいたけど、ただ…いつもはこんなに見つめあった日なんてなかった。

 

 

 静かな校舎。

 そして、周りにはだれもいない。

 

 きれいな夕日を二人して浴びながら…

 

 …

 

 もうこうなったら…そうなるよね。

 

 

 オレたちは、夕日に照らされながらキスをしました。

 

 

 まさかのただのゴミ捨てからこんな展開になるなんて思いもしませんでした。

 

 ゴミ当番でよかった〜。

 

 てか、オレめっちゃドキドキしてる。

 恋ってこんなにドキドキするの?

 

 薫が…薫が近くにいるから?

 ってか、キス…キスしちゃった!

 

 間接キスすら出来なかったのに…いきなり飛び越えてキスって…

 

 

 

 …

 

 

「薫、オレと付き合ってください。」

「はい、お願いします♡」

 

 チュ♡

 

 ‼︎

 

 薫ーーー‼︎

 いきなり薫からのキスって…

 まさかの行動にびっくりするオレ。

 

 展開が早すぎる。

 いきなり赤ちゃんが初めて立ってすぐさまスキップするくらいの驚きだ。

 

「理玖、大好き」

 ギュ〜♡  

 

 

 …

 

 えっとー…

 

 薫からオレへの好きが溢れているように思います。

 

「オレも好きだよ。」

 と薫を抱きしめ返しながら聞いた。

 

「薫って…オレの事いつから好き…だった…の?」

 と。

 

 するとまさかの…

 

「ずーっと♡」

 とのお返事が。

 

「理玖は?」

 

 …

 

「さっき…ってか…いつのまにか…」

「はぁ?」

「うそ、オレもずーっと前から。たぶん…」

 

「なにそれー。ま、結果オーライだからいっか」

「な、そういうこと」

 

 ふふ♡

 

 そしてオレたちは、仲良く手を繋いで帰ることになった…んだけど…、、、

 

「えっ⁉︎」

「ん?だって恋人でしょ、わたしたち」

 

 …

 

「あー…う、うん」

 

 なんと薫がいきなり恋人繋ぎしてきたんです。

 

 手の感触…やばいでしょー…、恥ずいからー…。

 

 薫って…意外と積極的なのか。

 

 てか、よかったー。

 オレ今まで薫がこんなに愛おしく思う日が来ると思ってなかったけど、でもさ…でもだよ?

 

 うっかりいつも一緒があたりまえだと思っていたら、いきなり薫が彼氏つくってこんなイチャイチャしてんの見せられたらオレ…ヤバかったかもなー…。

 

 気が狂うとかの騒ぎじゃなかったかも…。

 

 

 オレは薫が愛おしくて愛おしくてたまらなくなった。

 

 

「薫、好き」

「うん。…でも、今は恥ずい。」

 

 オレたちは、赤信号で止まっていたんだけど、思わず好きが溢れて抱きしめてしまっていた。

 

 あはは…

 

「青だよ、早く渡ろう!」

「お、おう。」

 

 オレはそのまま薫の手を恋人繋ぎして、ひとけのないところまで連れていき、薫を抱きしめた。

 

「薫…ヤバい…オレ薫が好きすぎる…」

「うん。わたしも好きだよ」

 

 

 どうしよう…、、、、、、

 

 

 骨抜きにされるって言葉聞いたことあったけど…まさかオレが骨抜きにされる日が来るなんてーーー‼︎

 

「薫ーー‼︎」

 

 ムギュ〜♡

 オレは精一杯薫を抱きしめた。

 

 そして薫もお返しのハグをくれた。

 

 これからもたぁっくさん薫を愛そうと心に決めた♡

 

 

 おしまい♡

 

 

 

 

 

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