静かな日常が、少しずつ異界に侵食されていく感覚。それなのに怖くない。むしろ、どこか温かい。ライアーの台詞の一つひとつが「人を観察する死神」ではなく、「人を理解しようとする存在」に聞こえてくる。そして、まゆりの視点を通すことで、読者までが“生と死の境界”を覗き込んでしまう。会話のテンポと情景描写のバランスが見事で、軽やかに読めるのに、後からじわじわ胸に残る。この物語は、静けさの中で“生きること”を問う優しい怪談だ。
学校でも家でも居場所がない女性主人公。突如現れた死神は、不幸or幸せのどちらを持たせるのか。日常が変わっていく不思議を、覗いてみませんか。