アオイの巻

プロローグ:覚悟  ♥

 風呂場の脱衣所で、下着だけの姿になった私自身を鏡越しに見る。眼鏡をしたままで、まじまじと自分の体を見たのはいつ以来だろうか。


 ブラを外す。中学の頃から成長していないBカップの胸を見て、少し悲しくなる。後輩に聞いた補正下着とやらを試してみようか。でもブラで盛ったところで、脱いでしまえば意味はない。生まれたままの体で勝負するほかないのだ。


 ショーツを下ろす。モデルは上半身だけという約束だけど、当日は何があるかわからない。いつの間にか、秘部を覆い隠す程度にヘアが生え揃っていることに妙に安心する。まさか、つるつるにしてくれだなんて言わないだろうな。


 久しぶりに体重計に乗ってみると、BMIは22ちょっと。数字だけは普通の範囲だが、筋肉があるわけでもないので締まりはない。お腹にはつまめる程度に贅肉がついている。はっきり言って見せられる体ではないと思う。


 なんであんなことを言ってしまったのだろう。はっきり言って自信はないし、いくら覚悟してもめちゃくちゃ恥ずかしいと思う。


 でも、もう決めたのだ。私はあいつのヌードモデルになる。

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