聖女として召喚されたのに王宮を追放されて我儘貴公子の奴隷にされました。でも、いつの間にか溺愛されるシンデレラ物語
第84話 皇女に捕まりそうになりましだか、近衛副騎士団長に助けられてとても豪華な馬車で学園に通学することになりました
第84話 皇女に捕まりそうになりましだか、近衛副騎士団長に助けられてとても豪華な馬車で学園に通学することになりました
陛下に拝謁した後、その日は次の陛下との謁見の儀の事を考えてドヨーーーーーンとした気分で、過ごしてしまった。
クリフは細かいことを陛下と宰相と打ち合わせるとのことで、私一人さっさと部屋に帰ったのだ。
もっとも、一人で食事を摂ると疲れから瞼が勝手に落ちてきて、お風呂の中では半分寝ていた。
あと少しで溺れる所をエイミーに起こされて、なんとかベッドに入ったのだ。
翌朝、私はバッチリ目が覚めた。今日からまた学校だ。
寝たらドヨーーーーンとした気分も少しはマシになっていた。今日は今日の風が吹くのだ。
学園に行ったらポーラ等もいるし、気分も晴れるはずだ。
朝食は一人だった。
クリフはしばらくここにいなかったので、仕事が溜まっているんだとかで、一人だった。
食事を終えて、制服に着替えて、私は学園に行こうとした。
今までは宮殿の中は、エイミー一人だったのに、今日は4人も近衛の方が馬車乗り場まで同行してくれた。今までとは全然待遇が違う。やはり皇帝陛下と拝謁したからだろうか?
そして、馬車乗り場で私がいつもの馬車に乗ろうとしたら、キャサリン皇女殿下のメイドが私を待ち受けていたんだけど。
「どうかされましたか。アンジェラ殿」
私を先導してくれている近衛のアンディさんがアンジェラに聞いてくれた。
「皇女殿下があちらでアオイさんをお待ちなんです」
近衛にアンジェラさんが言ってくれた。
これはまた、嫌な場面だ。絶対にややこしいことになるに違いない。クリフを勝手にヴァーノンに連れて行ったとか、また、難癖をつけられるに違いないのだ。
「いかがなさいますか? アオイ様」
アンディさんが私に聞いてくれたんだけど、
「えっ、私が決めて良いの?」
私が驚いて聞くと
「何を言っているのです。王女殿下のご意向に逆らうことなど出来るわけが」
アンジェラさんが当然のように言ってくれるが、
「陛下からはアオイ様の意向を最優先にするように指示を受けております」
「な、なんですって! あなた近衛の分際で皇女殿下に楯突くつもりなの」
アンディの言葉にアンジェラさんが食ってかかるが、
「陛下の命令が最優先されます」
アンディさんは全然ブレなかった。
「ちょっと、アンジェラ、何をいつまでも手こずっているの?」
そこに扉が開いてキャサリン皇女殿下が顔を出してきた。
「で、殿下」
アンジェラさんが戸惑っていると、
「何をまごついているのよ」
しびれを切らした皇女殿下が出てきた。
「アオイさん。あなた、生徒会長の私の言うことに逆らうわけ」
今度は私に直接言ってきんだたけど。
「殿下。ここは宮殿です。生徒会長権限は使えません。陛下からはアオイ様のご意向を最優先しろと言われております」
アンディさんは皇女殿下と私の間に入ってくれたんだけど。
「あなた近衛風情が私に逆らっていいというの?」
「申し訳ありませんが、陛下のご意向です」
「何ですって」
キャサリン様が声を荒げた時だ。
「いかがしたのだ」
そこに近衛副騎士団長のラッセルさんがやってきた。
「伯父様! この近衛の方が、私とアオイさんの交友を妨げようとしているのよ。伯父様から注意して差し上げて」
キャサリン様は味方が来たと喜んで話しだした。
「これはこれはアオイ様。朝から申し訳ありません。我が姪がご迷惑をおかけしたようで」
ラッセルさんが私を見て最初に話してきたんだけど。
「いや、それは別にそんなに迷惑は」
私は思わず手を振った。
「えっ?」
キャサリン様が驚いてラッセルさんを見ている。
「キャサリン。アオイ様のご迷惑も鑑みずに朝から声をかけるな」
「えっ、伯父様」
キャサリン様は驚きのあまり固まっているんだけど。
「アオイ様は帝国の大切なお客様だ。陛下自らその待遇にはくれぐれも粗相の内容に全皇族にも指示があったはずだが」
「で、でも」
「でもも何もない。皇女自らその行動には十二分に注意するようにと、朝食時にグレイスからも注意があったと思うが」
「いや、それはそうだけど」
忌々しそうにキャサリン様は私を睨みつけるんだけど。
「キャサリン、皇族としての行動は十二分にわきまえるのだぞ」
「はい」
伯父に言われて仕方がなくキャサリン様は頷かれるが、絶対に後で私に文句を言ってくるつもりだ。
私はうんざりした。
「では、アオイ様。こちらでございます」
ラッセルさんが案内してくれた馬車は皇女殿下の馬車と比べてもとても立派な馬車だった。
「えっ、いや、ラッセルさん。このような馬車に乗るわけには」
私が戸惑って言うと、
「全ては陛下のご意向です。何卒、この馬車で通学いただきますように、よろしくお願いします」
ラッセルさんに頭を下げられると私としても乗らざるを得なかった。
そして、私は、なんと、ラッセルさんの指揮のもと10騎の騎乗の騎士に守られて学園に向かうことになるんだけど。
近衛副騎士団長自ら護衛されて学園に向かうって、皇女殿下や皇子殿下よりも待遇が良いんだけど……
えっ、これは何の罰ゲームなの?
これって絶対にまずいやつだ。
後で貴族令嬢方に絶対に絡まれるに違いないと私は青くなったのだ。
唖然とする私を乗せて馬車は学園に向かったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます