第7話 今津灯台

 今津灯台は、兵庫県西宮市に所在する民営(酒造会社の大関株式会社が運営)の灯台。現役の航路標識として使われている灯台としては日本最古のものである。西宮市指定文化財。


 現存する灯台は1858年(安政5年)に再建されたもの。高さ6m余り(基礎を含むと約6.7m)の木造袴腰付灯籠形・銅板葺屋根で、竜山石の基壇上に建てられている。


 灯火部分には格子が組まれているが、これは当初点灯に油皿を使用し、風雨を防ぐために油障子が貼られていた名残である。


 台石に刻まれた「象頭山常夜燈」の文字は、海上交通の守り神・金刀比羅宮に奉納された灯明台を意味している。地元の人々からは「灯篭」の愛称で親しまれた。


 今津灯台の陰影に包まれた海岸で、遺伝子実験の失敗によって生まれた異形の存在「インプ」が蠢き始め、周囲に不気味な現象が起こり始める。焼死体が次々と発見され、町の人々は不安と恐怖に包まれた。


 ある晩、プルコギ店のオーナーが謎の声に導かれるようにして灯台に辿り着く。そこで彼は、遺伝子実験の被験者となった人々が夜な夜な蘇り、恐怖に取り憑かれたことを知る。灯台の中には、遺伝子実験を担当していた科学者の手記が残されており、彼の狂気と絶望が明らかになる。


 銀行強盗から逃げ延びた蒲生残火は実験台になり、遺伝子実験の結果として生まれたインプたちは、町を恐怖に陥れ、プルコギ店のオーナーと他の生存者たちは生き残りをかけて脱出を試みる。運命の歯車が回り始め、西宮と灯台は絶望と狂気に包まれたまま、生ける屍が闊歩する恐怖の物語が繰り広げられる。

 

 

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