たたと神
再才りり
第1話
ある村にりたという名の1人の少女がいました。
りたはおばあちゃんの事が大好きでした。
おばあちゃんはりたの唯一の味方でした。
りたの家で彼女を必要としていた人は誰一人としていなかったからです。
りたの両親は小さい頃から彼女にとても冷たく、幼い妹の面倒ばかり見ていました。
村の人には仲睦まじい家庭を演じていましたが、りたはそれが普通なのだと思っていました。
遊び相手のいなかったりたは毎日おばあちゃんと遊んでいました。
おばあちゃんは遊びながらりたに生きる術を教えてくれました。
天気の読み方、食べられる植物、毒のある植物、魚の捕まえ方、火の起こし方、料理の仕方、刃物の扱い方、身のこなし方まで教えてくれました。
15歳になり、りたは家を出て一人暮らしを始めました。
家を出てからもずっと、おばあちゃんは1人で暮らすりたの傍にいてくれました。
りたはおばあちゃんの教えてくれた術を使って外の世界で生きてみたいと思うようになりました。
そんなある日、おばあちゃんが突然姿を消しました。
朝目を覚ますと、おばあちゃんのいた形跡が全てなくなっており、どこを探しても見つかりませんでした。
「もう大丈夫だね。もう1人でたたかえるね。」
最後にそう言っていたような気がしました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます