悪夢討伐は任せてください!!

@kokone2525

第1話 私も寝たいよ

「あははは!!ほんっと面白いなこの人!んー、もう一本だけ動画見るか!」

深夜1時、私はいつも通り夜更かしの真っ最中。

もう一本の面白そうな動画を探している最中に思い出した。

「え、待って」

明日の課題をやっていないことに…。(でも正確に言えば日付こしてるから今日の課題だね)

ここまでが私の毎日のルーティン。

「はーー、課題やるくらいなら寝たいよー」

はいこれ、毎日言ってます。

「明日の朝早起きしてやろう!おやすみ!」

いつも通りの夜。私は今日もアラームを10個かけて目を瞑る。そのまま夢の世界に…って思ってた。なのになんで!?!?!?

「ほんとにコイツであってるラリ?」

「あってるはずリラよ!」

「こんなマヌケ顔のちんちくりんがラリ?」

「やめなさいリラ」

……なんと目の前には羽の生えた変な生き物!

しかも腹立つ!!!

「きも!!かえれ!!」

それだけ言って私は布団にもぐる。

…初対面で「きも!!」はダメって?

わかってるよ!!(逆ギレ!)

「コイツまじでなんなんラリ?」

「やめなさいリラ」

私があんなに気持ちを込めて帰れって言ったのにこの虫(?)は帰る気ゼロ。なんなら私のことで愚痴ってる。てかこの生き物何!

私のことコイツって呼んでるし。

私の名前はコイツじゃなくて、貝羅 夢琉(かいら むる)です!! なんて思ってたら、

「夢琉ちゃん、あなたは今日から悪夢討伐人リラ!」

語尾がリラの子が私に話しかけた。

「あくむとうばつにん?」

名前で呼んでくれたのは嬉しいけど悪夢討伐人ってなに?

私って今寝てるの?起きてるの?

「何言ってるのか分からないけど私は寝るから帰って。明日寝坊したらほんとにお母さんに殺されるかもしれない」

もう何も考えないようにしよう。もう20日連続で寝坊してるんだよ。今日の朝はお母さんが包丁持って私の部屋に来たから、流石に明日は刺される。

だからさっさと帰ってもらわないと困るのに…

「悪夢討伐人 貝羅夢琉。とりあえずついてきてもらうラリ。リリ、羽の準備はいいラリ?」

「もちろんリラ!」

シャララーーーーーン!!

「わーうるさ!!!」

ウィンドチャイムの音が5倍になったみたいな爆音が私の耳に!!

なになになに!!体が浮いてる!?羽!?

「あんた達いい加減にして!私は明日の学校に備えていい夢見て休まないといけないの!」

私の言葉を一切聞こうとしない虫達に腹が立つ!!これどんな悪夢なのよ!!

「今日からお前は悪夢討伐人だって言ってるラリ。お前脳みそ詰まってないラリか?とりあえずワールド移動するラリよ」

キィーー!!むかつくー!!!

私が腹を立てて言い返す言葉を考えているそのとき、私の体に今まで感じたことの無い感覚がした。現実逃避と怖さで私は目を瞑る。

しかしその感覚は一瞬だった。

「ふぅー、はい!夢琉ちゃん!ついたリラ!」

声がラリラリうるさいムカつく方の子じゃなかったので私は恐る恐る目を開ける。

「えー!!!なにここー!!」

目を開けてびっくり。そこは妖精いっぱいの世界だった。

「ここは妖精のワールドリラよ!今日から夢琉ちゃんにはここに来て悪い夢で苦しんでる子を助けてもらうリラ!それが悪夢討伐人のお仕事リラ!」

へぇ〜!悪夢討伐ってそういうことだったんだ!って、説明してくれたところ申し訳ないけど…。私、学校あるんだよね。このワールドはなんか少しだけ気になるけど、

「ごめん、私学校や部活で忙しいから悪夢討伐人?はできないの」

私ももう子供じゃない。思い切って断った。

「その心配はないラリ。お前は今日から夜にここに来て、悪夢討伐人をやるラリ」

……は?

「夜ならお前も暇ラリ。悪夢討伐人としてしっかり働くラリよ。」

もうみんなも口調でわかる通り今話しかけてきたのはムカつく方。私夜にここに来ないといけないの?…いや無理だよ。

「私の睡眠時間は?」

「夢琉ちゃんは夜更かしが得意だからきっと平気リラ!睡眠はこっちのワールドでとってから人間界に戻るといいリラよ!こっちのワールドは睡眠時間が人間界の2倍リラから!」

「あ、あはは」

「じゃあ悪夢討伐について詳しく説明するリラ!!!!!」

悪夢討伐人やる前に明日の朝の命が危ない。

はぁーーーーー。

どうやら私は今日から強制悪夢討伐人らしいです……。












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