どこにでもいる普通の高校生の俺が、学年一可愛い美少女と付き合える訳がない
こたろう
第1話
リンリン!リンリン!リンリン!リンリン!
カチャ
「……もう朝か」
体を起こしてカーテンを開けると、満天の太陽の日差しが部屋の中を照らす。 さすが晴れの国と言われる岡山県だ。雲ひとつない快晴で、一日の始まりにはもってこいの天気だ。
本当はもう少し寝たいのだが、そんな事は言ってられない。
何故なら今日は高校の入学式があり、俺は新入生として参加するからだ。初日から遅刻なんて教師に目をつけられてしまう。
まだ完全に目覚めていない体を起こして、顔を洗うために一階に降りる。洗面所で顔を洗い、リビングのある部屋に向かう。
ガチャ
「おはよう京介」
「……」
部屋に入るとまず母さんが笑顔で朝の挨拶をしてきた。父さんは一瞬こちらに視線を向けてきたが、手元の新聞に視線を戻した。
「おはよう母さん」
母さんに挨拶をして、自分がいつも使っている椅子に座る。
「京介。お父さんにも挨拶をしなさい」
「……おはよう」
「ああ。おはよう」
本音を言うと俺は父さんの事をあまり好きではない。無口で何を考えているか分からない人だし、俺に関心が無いのか話す事もほとんどない。
「ご馳走様でした。では行ってくる」
「はい。いってらっしゃい」
朝ご飯を食べると父さんは荷物を持ち仕事に行く。
父さんを見送って戻ってきた母さんが、俺の分のご飯の準備をして持ってきてくれる。
今日の朝食は、白米にみそ汁と目玉焼きの定番と言っていいメニューだ。
「しっかり食べるのよ。今日は入学式なんだから」
「分かってるよ母さん」
「本当に分かってるのかしら?」
「もちろんだよ。入学式でお腹が鳴ったら恥ずかしいし、クラスの笑い物だよ」
「フフッ分かってるならいいのよ」
父さんとは違い母さんは、よく俺に話しをしてくれる。まぁそれが普通なのだろうが。
二十分ほど母さんと話しをしながら料理を食べ終える。
「ご馳走様でした。じゃあ俺服着替えてくるから」
「ネクタイの結び方分かるの?」
「心配しなくても流石に分かるよ。もう高校生なんだから」
苦笑いしながら答える。
「そうよね。もう京介は高校生ですもんね。後忘れ物がないか確認するのよ」
「うん」
部屋に戻り学校指定の制服に着替える。制服はブレザー型のデザインになっていて、よくある普通の制服だ。
事前に動画で見たネクタイの結び方を真似ながら鏡の前で結んでいく
「中々の出来だな」
ネクタイを結んだあと、今日持って行く物の確認をした後一階におりると母さんが、玄関で待っていた。
「あらしっかり結べてるわね」
「母さん心配しすぎだよ」
「フフッそれもそうね」
靴紐を結びおえて母さんの方へ振り返る。
「じゃあ行ってくるよ」
「いってらっしゃい。母さんも後から行くからね」
入学式なので保護者として、母さんも出席するのだが、学生である俺の方が早く行く事になっている。
「うん。じゃあ今度こそ行ってきます」
家のドアを開けて外にでる。
これから俺の高校生活が始まる。
後書き
評価宜しくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます