研究資料
Grisly
研究資料
S王国は、
科学技術、医療ともに進んだ国だった。
そのおかげで、大発展を遂げ、
他の国を寄せ付けなかった。
核である膨大な研究データは、
王立図書館に保管されていた。
しかし、その王立図書館が
原因不明の火災に見舞われる。
国の生命線とも言うべき、
膨大な研究データは塵と化した。
王様は、元気づけようと
科学者達を集めて言う。
「大丈夫。
国がなくなったわけじゃないんだ。
我々はこの国が貧しく、
何もない時代から努力を怠らず、
今日の発展を作り出したじゃないか。
その頃に比べれば、
豊かな暮らし、充分な物資。
生活も保証されているではないか。
研究はもう一度し直せばいいだけのこと。
きっとすぐに…」
しかし、研究者達の顔は晴れない。
「この国が貧しく、
何もない時代だったので、
非合法、非人道的なものも含めて
様々な研究ができたのです。
豊かな暮らし、充分な物資、
そして国民の幸せの保障されている
今となっては、もう再現できない。
国はなくなっても、
あの研究データだけは
絶対に消えてはならなかった…」
研究資料 Grisly @grisly
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます