弱者は銀髪緑目の先生に惹かれてゆく
独路ヤップ
第1章 入学と真実と教師という立場
この学校も設立して10年目、AFと呼ばれている育成教育促進機関が立ててからその学校には様々な設備・教育のための施設がデパート並みの規模感があり、各フロアには学習スペース・芸術スペース・運動スペースと振り分けられていた。この学校には頭のいい人間だけではなくスポーツや音楽、美術といったいろんな才能の生徒によって成り立っていた。そして、今日新しい新入生を迎えることになる。
【校長からの挨拶と真実】
AクラスからEクラスの生徒が揃ってから入学式となった。校長の話を聞くまではみんなが期待や興奮で胸を躍らせていた。そして、迎えた校長の挨拶……穏やかな表情から一礼してきりっとした真剣な表情に一変する。
「私の話を聞く前にまず慌てないで欲しい。この学校は才能順にAからDクラスに分かれている」
その言葉を聞いた瞬間生徒たちの表情が硬くなった。中でもDクラスに配属された生徒は落ち込んでいる人数が一番多いように見える。それから、数秒後ほとんどの生徒が疑問に思っただろう。(あれ?じゃあ、Eクラスは何なのかと……。)
「そう、AからDクラスこの振り分けは理解していただけたであろう。ではEクラスはどうなのか?そう、Eクラスはプラス枠。簡単に言えば、元々受からなかったが改善の余地ありと見てこの学校に入学させたものたちだ。だから、これからの生活どんどん学力を上げるために頑張ってくれたまえ!」
校長はそう言い入学式を一部、残酷な形でスタートさせたのだった。
次の日、朝の時点で差が決まってくるように感じた生徒は多いではないだろうか。制服の上着のマークがクラスごとに違うのである。
さすがこの設備の整った学校と言えるか……。
Aクラスから順に翼のマーク、オオカミのマーク、馬のマーク、猫のマークそして、双葉のマークである。Aクラスの生徒は自分たちの方が上だと言うように堂々と真ん中を歩いている様子だった。Bクラスの生徒も何人かはそんなことも気にせず、歩いているようだった。
それから、席に着いたら各担任の先生が来るまで席を立たないようにという指示が黒板に記されていた。Eクラスの生徒は当然しゃべる気にはなれなかっただろう。昨日、あんなことを発表されたんじゃ…。
数分後待ち続けているのにもかかわらず、先生がやってこない。なぜまだ来ないのか、他のクラスの先生は来ているのにと思いながらEクラスの生徒だからかとみんなが思い始めた時、ガシャン!っと急に扉が開き、突然メガネをかけた笑顔の眩しい先生が入ってきた。
「おはようございます!
こんな感じの先生がこのクラスを担任するのかと思うとみんなため息をつき始めた。確かに普通の学校生活が待っているとなると気持ち的にはワクワク感の方が強かったのかもしれない。だが、状況が状況だけに生徒のほとんどが顔をちゃんと合わせられずにいた。
ここで一人の生徒が口を開いた。
「先生はなぜ、このクラスになってもそんなに明るく接してくれるのですか?」
「それはいい質問だね、山添くん。僕はみんなと平等に接していきたいと思っている。それは……何か理由があってここにいるということはまだ君たちにはまだチャンスがあるということだ。一度の失敗で自分の評価を落としちゃダメだからね。まずはそれを言いたかった。それ以外に質問のある生徒はいるかね?」
誰もが沈んでいた中一人の先生によって、クラスの半数の表情が柔らかくなった。こんな感じで続けてくれるのかと全員が思っていたら、亜白木先生からの次の一言でみんなの表情がまた曇った。
「ちなみに次の定期テストで4分の1すなわち25点以下があった生徒は退学だからね」
「何その切り捨て方式⁉」と山添は驚きを隠せない様子でいた。驚きの連続でさらに嫌な言葉がやってくる――――「退学」――――。
「だから、みんなも定期テストまでは必死にがんがるように‼」
そう言うとチャイムが鳴り、Eクラスの生徒たちは教室をを後にした。残っていたのは亜白木先生と生徒数名だけだった。
「さて誰から助け船を出そうかな?」そう呟きながら亜白木先生はフランクな態度を切り替えてまじめな先生として教室を去っていった。
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