ミニマリストにならなくても

りお しおり

憧れるだけのわたし

 ミニマリストに憧れている。


 すっきりした部屋、ものをもたない暮らし。

 そういう暮らしができる人は背筋がピンと伸びていて、生き方さえも潔く、かっこいい、気がする。


 とはいえ、ミニマリストになりたいかと言われると、そうでもない。自分の性格上とも思うが、そもそもそこまでは目指していない。


 ミニマリストの方は、兼用できるものを持っている印象があるし、各種動画や本などでもよく語られている。Aにしか使えない便利グッズは持たないし、AもBは持たず、AとB両方に使えるCが一つあればよい、という具合だ。

 もちろん使用頻度が少なければそれでもよいが、本当に使うものであれば私は便利グッズも持ちたいし、Cで両方できても、よく使うものならAもBも持ちたい。


 たとえば鍋やフライパン。ミニマリストの方々はそれなりの大きさのフライパンや鍋を一つずつ、これで十分、みたいなかんじだ。

 私は量の少ないときは、小さな鍋やフライパンを使いたい。大は小をかねない、と私は思う。


 また、ミニマリストの方は服装がシンプルだと思う。合わせやすい少数精鋭の服というのは、シンプルに行きつくのだろう。

 シンプルを着こなす人はかっこいいと思うし、憧れる。けれど私は派手ではないが色物や柄物がほしい。シンプルな服を着こなす人を本当に素敵だと思うのだが、私には残念ながらあまり似合わないし、好きなスタイルでもない。服は減らしてきたが、この調子ではミニマリストの方のようにはいかない。


 このようなこと以外にも、「捨てて後悔したことはない」「一年以上使っていないものは使わない」などとミニマリストの言葉などで見かけるが、真っ向から否定してしまう私だ。

 私は、捨てて後悔したこともあるし、一年以上使ってないものが活躍しだすこともある。こうした経験は、捨て活を日和らせる。


 ゆえに私はミニマリストにはなれない。


 だからといって、そのままでいいとも思っていない。ものは少ないほうがいいし、部屋はきれいなほうがいい。大好きなものだけで、管理できる量のものだけで暮らすことができたら、毎日はきっと素敵だ。


 ミニマリストにまでなれなくていい。ならなくていい。でも、もっとものを減らして、暮らしを豊かにしたい。

 そう思って日々捨て活に励む私の、2023年を振り返りたい。

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