第4話
警視庁に行くためにどうしたら良いのかを昨日学習したおかげでスムーズに来ることができた。初の満員電車はかなりしんどかったしめっちゃ見られた、やっぱ都会怖いわ。
受付で名札(書類ケースのやつ)を見せたらすごいわかりやすく説明をしてくれた。確かに中はごちゃごちゃしていて普通に迷う自信がある。
案内されたのは二階の会議室
階段を使い、2階に上がる。目当ての会議室の前には『対策会議』とだけ書かれた紙が貼ってあった。すっごい徹底ぶり、どんだけ極秘なんだよ。
めっちゃ緊張してきた、入るのに時間をほしいがこのままだと廊下でうろうろしている不審者になってしまうし、時間も迫ってきてるので、覚悟決め入ってみることにする。
「失礼します」
会議室の中には部屋の半分ぐらいの人がいた、後ろから入ったはずなのにほとんどの人が振り返ってくる…なんかやった俺?
会議室間違えてないはず…
前に座っていた人が立ち上がり、空いているところに座るように言ってくる…なんか凄い緊張しているのが伝わってくる。
自分よりも緊張しているひとがいると安心するよね、ありがとう司会らしき感じのお兄さん。
振り返っていた人がようやく前を見始めて隣の人などとはなしはじめっ…なんか俺しちゃったのかとおもってスッゲードキドキしてる。
ちなみに他に空いているとこもある中当たり前のように一番後ろに座った、別に人に話しかけられない訳ではないけどさっきの感じでビビったんだ…本当だそ、頑張れば話しかけられるんだからな。
俺の後は誰も入ってこなかった…これ一番最後の人待ってた感じ?だとしたらまじ申し訳ないわ…だからみんなふりかえったのか、納得〜。
でもまだ開始まで時間がある為、始まる様子はない。まぁ…まだ人が来るかもしれないからね…頼む、人来てくれ。
すこし緊張はほぐれた、落ち着いて会議室に集められた人たちをよく見てみる。参加者の少しは明らかに警察関係者だとわかるような人、あとは高校生ぐらいの人やいい筋肉を持っている人、非力そうな女性など共通点は…分からん。大体30人ほどいる。
強そうな人集めてバトルロイヤルでもする気か?前の司会らしきお兄さんが一番強そう。絶対あの人優勝候補だよ。
時間になってお兄さんが全体を静かにさせてから前の扉から明らかに警視庁の上の人ですよ〜というオーラを持った人が入ってきた。一気に空気が締まったのを感じる。正直前の司会らしきお兄さんよりも強そうだ。
優勝候補が変わったね。
「私は警視庁組織犯罪対策課の宗田だ」
そう言い、会議室を見渡した。頷き話し始める。
「君たち、突然集められ混乱していることだろう、今から説明を行う。その前に突然の招集を詫びよう…申し訳なかった」
ここにいる全員が俺みたいに突然集められたのか…ちなみに今の謝罪に対する参加者の反応は
いまいちだ。
「それとこれから話すことは世間にまだ知られてはいけないことつまり極秘事項なため、この部屋から退出するなら今だラストチャンスだ」
誰も退出しないことを確認してから男は話し始める。
「君たちにはやってもらいたいことがある」
誰かのつばを飲む音すら聞こえてくるぐらい静まった会議室に宗田と名乗った男は力強い声で発言する。
「この国の心臓である『東京』を守ってほしいのだ」
…なにから?
これを聞いた参加者の反応は2つに分かれた。隣のものと話すもの、キョトンと首をかしげるものだ。俺は後者だ。
「…私は本気だ、この国を君たちに守ってほしい」
参加者が静まってから力強く信念のある目で参加者に話す男に参加者内では聞いてみても良いのではというオーラが蔓延してきた。
「今、この国には未曾有の危機が迫っているのだ」
「君たちには東京…いや日本を宗教団体ヒペリカムから守ってほしいのだ」
『宗教団体ヒペリカム』そういった瞬間に参加者の中に動揺が走る。宗教団体ヒペリカムは最近ニュースでよく騒がれ、今の日本で知らないものは居ないだろう。洗脳だ〜教祖の正体だ〜でネタが尽きない、噛んでも味がするガムみたいなものとしてメディアはこぞって発信している。
「宗教団体ヒペリカムについての説明を簡単にしよう」
そういうと部屋が暗くなり、プロジェクターで宗教団体ヒペリカムについての説明をし始めた。本部が特定できていない〜や教祖や幹部の正体がわかっていない〜など知っている内容だった。だか最後に男はクソデカい爆弾を落とした。
「そしてこれが一番大切なのだかこいつらのいう超能力は存在する」
「「「「「は?」」」」」
参加者の声が揃う
「原因や原理は解析中だが、こいつらはこのよ
うな超能力を使う」
プロジェクターに映された動画はなんとも信じられないものだった。
『手から火を出す男』
『大きな石を手を使わずに持ち上げる女』
「これは11月10日に撮影された最新の超能力者だ、以前はもっと可愛いもので一般的な警察官でも対応ができていたのだが、最近急に強くなってな…対応が難しくなってきたんだ」
ぽかんとしているこっちに更に信じられない情報を伝えてくる。
「君たちは警察官や自衛隊員、一般市民の中でも優れた力を持つ選ばれたものだ、そんな君たちにはこの超能力者を倒してもらいたい」
参加者にはさらなる動揺が走る。自分たちが?あんなやつ(人間離れしたやつ)と?無理に決まっている。参加者からは怒号にも似た声がする。
「静かに!!」
男がマイクを使い言い、ようやく収まりを見せた。男かけていたメガネを直し続ける。
「もちろん生身でとは言わない、皆さんには戦うための服つまり戦闘服で戦ってもらいます」
先ほどとは違ったざわめきがおこる。
「戦闘服というのは…」
要約すると防火や耐衝撃に優れた服で、これから研究が進んでいくにつれてより良い物になっていくらしい。研究には優秀な研究者と政府の莫大な資金を惜しげなく投入し、最優先で進めていくそうだ。
政府の本気度と今が日本のピンチなんだというのを嫌でも感じされられる。
「皆さんの身の安全を考えながら実用化していく予定ですが今のところ身の安全は保証できません……ですが…どうか、どうか日本の明日ために協力してくれませんか、お願いします!」
参加者たちは…
「俺等にしかできないこと…やろう!」
「おう!」
「まかせろ!」
「皆さん…ありがとうございます…」
パチパチパチ
えっ?めっちゃやる気になってるやん。そんな今の演説で愛国心引き出された?なんか俺以外すっごい協力的じゃん…俺だけ『嫌だ』は言えない空気じゃん。
俺すっごい嫌なんだけど…
あれ?これ不味くない?
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